先週土曜日午前、上越線は人身事故で全体的に玉突き的に遅れ、乗った特急は沼田に5分延着した。バスへの乗り換え時間が10分くらいしかなかったが、なんとか乗り継げた。バスの車内は座れない客も出るほど満員で、半分くらいはこれから山へ入りそうな身なりで、山小屋の混雑が予想され、次第に雲が厚くなってきた空模様のように気が重くなる。…と、実際は、山行の身なりの客は、丸沼方面へ行く乗り換え停留所で降りたり、何か別のスポーツの合宿のような若者グループだったりで、鳩待峠への乗り換え停留所まで来たのは小生を入れてわずか2人であった。
沼田駅で1万円札を崩す時間がないままバスに乗ってしまったため、先に鳩待峠行きの切符売り場で崩した後、乗ってきたバスに再度支払いに戻る。このあたりはのんびりしている。
来たバスはなぜか先客で満員で、川の対岸にあるマイカーのPが始発のようであった。
鳩待峠に着くと、ここも結構な賑わいで、予報どおりいつ降り出してもおかしくない雲行きだったのでともかく先を急ぐ。午後2時を回っており尾瀬から峠に戻ってくる逆方向の大勢の人とすれ違う。道は、踏面が平らな岩石を充填した立派な階段と、その先にこれまた立派な木道(2本あり、どうも右側通行になっている様子)が延々と続く。こんなに立派な登山道ははじめてである。荷物もなく手ぶらで歩いている人も多い。
いよいよ雨がぱらつきはじめ、とりあえず折りたたみ傘を広げる!?。明日も湿原の中を歩くときは、雨具ではなくこの傘で十分ではないかと思える。
雨はすぐ止み、傘を閉じ手に持ったまま歩く。山歩きとは思えない気楽さで、実際傘だけが荷物の人もいた。
山ノ鼻の小屋に着くと、個室とのこと。その部屋にはこたつがあった。また風呂もあり、まるで普通の旅館のようである。
鳩待峠以降、山歩きに来たのかどうかわからなくなることが多い。
ただし食事時間は山小屋タイムで、日暮れ前の夕食後は、いつもの山行第1泊目のとおり前夜の睡眠不足を補い熟睡する。
夜半は激しい雨音がしていたようだが、もう覚悟はできている。
翌朝は、ガスで視界がきかなかったが、雨は降っていなかった。小鳥のさえずりが聞えており、これまでの経験から天気が回復すると確信しほっとする。
ゆっくりと、7時前に出発。最初の2時間は、今回の道中のハイライトである、尾瀬ヶ原の湿原を歩くのだが、ガスが漂いこれはこれで幻想的である。ただ、木道が滑りやすく、しかも落ちたら下は沼地なので一足一足予想以上に慎重に歩かねばならず、これが雨でも降っていればとても傘を差してのんびり歩くなどできない。
次第にガスが晴れ、昨夜の小屋の背後に聳えていた至仏山が姿を現した。
PHOTO:中田代の大堀川?から見る至仏山
それにしても、標高差がない(当たり前か)道が延々と続く。滑りやすいことを除けば、2車線?の快適な道である。
至仏山が遠ざかり代わって燧ケ岳が近づく。
PHOTO:下田代(竜宮の先)から見る燧ケ岳
尾瀬ヶ原は終わってしまったが、この後どんどん雲が切れ、白砂峠を越え尾瀬沼に出ると間近に燧ケ岳がくっきりと迫ってくる。
PHOTO:尾瀬沼東岸より燧ケ岳
暑くもなく寒くもなく、こんなに心地よい条件での歩きも久しぶりである。
随所に小屋があり、今日の昼食も小屋のラーメンとコーヒーという気楽さである。
あとは、いよいよ会津の秘湯が待っている…。
(続く)


