AN DIE FREUDE | C5552のブログ

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8月12日火曜日。今回の山行の最大の目的がなくなり、まだ歩いていない西鎌尾根を歩くというだけという、いささか力の抜けた気分で出発。とりあえず槍ヶ岳を目指す。この区間(南岳━槍)は、そういえば逆方向に2回歩いたが、槍に向かっては初めてである。今回実際に歩いてみると、昨日の話ではないが、登りと下りの違い同様、同じ道でもまったく新鮮なことを再確認する。

南岳、中岳、大喰のほか、小ピーク毎に休憩し、近づく槍と遠ざかる北穂を眺めながら至福の稜線漫歩(山の雑誌のコピーか!?)。この日は、今回で一番天気が良く、午後になってもガスが湧く時刻が遅かったため、槍をいろいろな角度から楽しめた。余裕の一枚を、マクロモード!得意げで、どうぞ。

080812大喰より

PHOTO:大喰岳より槍を見る


予想以上に時間がかかり、槍の肩にある槍ヶ岳山荘に到着。もう、槍の穂先に登る時間もなく(実は昨日梯子の上り下りを堪能したのと、脚がつらいせいもあり)、その分、小屋のテラスで昼食大休憩。ここは4回目だが、いつ見ても、なぜこんな見事な穂先があるのだろうか、この100メートル余りの高さの先端部分が大地震かなにかで折れてしまったら、悲しむ人が大勢いるに違いない(いないか?)と哲学的な気分でコーヒーを入れる。すぐ横で、小屋の従業員の女の子2人が布団を干しながら、「天気がいいし穂先に登りたいけど、ちょっと人が多すぎない?」とのんびりした話をしている。

080812槍岳山荘より

PHOTO:槍ヶ岳山荘テラスより「穂先」


マクロモード写真ではわからないが(スミマセン)、あちこちに人がへばりついており、また頂上直下の恐怖の梯子も3本に増えていた(記憶頼り。いいかげんなことを書いて間違っていたら、山荘関係者の方他、お詫びします。でも上り下り専用で2本はありました。)


さて、先を急ぎ、いよいよ西鎌を下る。といっても、千丈乗越までは以前逆方向で歩いているので、その先が初見参である。ところで、乗越から30分余り下った小ピークが、槍を眺めるベストポジションではないかと思える。遠すぎず近すぎず、とてつもなく深い千丈沢の大空間の向こうに、左側に長大な北鎌尾根を、西鎌が北に向かってカーブを描いているため右側に今通ってきた西鎌尾根を、まるで翼のように従えて聳える岩の芸術作品(文才があればこの景観をもっと別の表現ができたろうに!)。

ベートーヴェンの第九のフィナーレで唄われる、


Deine Zauber binden wieder, Was Die Mode streng geteilt;

Alle Menschen werden Brueder, Wo dein sanfter Fluegel weilt

(おまえは世のしきたりがつめたく引き裂いたものを、不思議な力でふたたびとけ合わせる。おまえのやさしいつばさに懐かれると、すべてのものは同胞となる。(訳:喜多尾道冬)


を、具体化すればこのようになるのでは、と少々おおげさに思えるほどの景観ではある。もっとも西から眺めるため、午後でないと槍は陰になっているが、夏は午後からガスで見えなくなるので、やはりクリアに見える秋以降だろう。

あちこちで道草を食いながら、意外にアップダウンのある道をたどり、最後は飲料水が底を尽きそうになり、道端の残雪や見事なお花畑に助けられ、15時に双六小屋に到着。しかし、この道の反対(南)側に見下ろす蒲田川左俣谷も、これほどの高度感で谷底を覗けるところは日本屈指ではないかとあらためて感動する。なにせ、谷底の標高が千数百メートルで両側はすぐに3000メートルの穂高・笠が切り立っているのだから。

双六小屋では、祝杯第2回目の生ビールを手に午後4時半という早い夕食の列に並ぶ。ここも混んでいたが、よく乾く乾燥室やおいしい食事など気持ちのよい小屋で一晩過ごした。


翌13日水曜は、笠はおろか、背後の双六岳もパスし、ひたすら新穂高を目指した。

ひとつの目論見があり、もっとも気に入っている小屋のひとつのわさび平小屋で、冷やしそうめんを食べることと、新穂高でのバス待ちの間に山行終了後の恒例の温泉&ビールである。これだと、平湯への移動までに酔いを少しでも醒ませるかと思っていたが、結局わさび平では、あまりの喉の渇きにそーめん&ビールになってしまった。が、全然酔いが回らず、すたすた(というか痛む脚をかばいつつとぼとぼと)普通に歩いて、温泉に入る間もなく高山行きのバスが丁度出るところだった。

平湯に着いたときは運転に全く支障なく、最後はひらゆの森で汗を流し、NONアルコールビールで完結した。湯あがり時にタイミングよく名古屋フィルのメンバーによる四重奏のミニコンサートも楽しめた。


最後にひとこと。高速のSAのレストランには、なぜ「ビール」という名前だけで、NONアルコールビールも置いてないのか?