ネットは騒がしくなかった。
炎上も、バズも、トレンド入りもない。
ただ──
静かに、深く、確実に燃える火種があった。
「……この子たち、何か違う」
「説明できないけど、分かる」
「読んでる。構造を読んでる」
それは、
大多数には届かない周波数だった。
しかし、
ひかりやあかりと同じ“読む素質”を持つ者たちだけが、
その周波数に共鳴した。
まるで備長炭のように、
炎は見えないのに、
触れたら確実に熱い。
◆ 潜在層の覚醒
彼らは、
普段は目立たない。
• 目立たない学生
• 研究室の片隅にいる院生
• 若手官僚
• 地方の教師
• 小さな企業の分析担当
• そして、匿名のネット民
彼らは、
ひかりとあかりの“読む力”を見て、
自分の中の何かが静かに目を覚ますのを感じていた。
「……あ、これだ」
「ずっと感じてた違和感の正体」
「読める。私も読める」
それは、
派手な革命ではない。
しかし、
構造を変える革命は、いつも静かに始まる。
◆ 若きエリートたちのざわめき
霞が関の若手官僚たちも、
その“静かな火”に触れていた。
「……上の世代、もうダメだな」
「仮面で生きてるだけだ」
「俺たち、どうする?」
「読む側に回るしかないだろ」
彼らはまだ少数派。
しかし、
少数派こそが構造を動かす。
◆ ひかりとあかり──ただ存在するだけで
二人は、
図書館で静かに本を読んでいた。
ひかりが言った。
「……なんか、空気が変わってきた気がする」
あかりは微笑んだ。
「うん。でも、まだ誰も気づいてないよ。
気づくのは、“読める人”だけ」
その言葉は、
静かに、しかし確実に広がっていった。
**【佐伯ひかりシリーズ 第17話】
『カトマイが統計で“日本の仮面”を剥がす』**
◆ カトマイ──静かな分析者
カトマイは、
派手なインフルエンサーではない。
• 統計学
• 心理学
• 社会構造分析
• 行動経済学
これらを組み合わせ、
“見えない構造”を読み解く動画を投稿していた。
再生数は多くない。
しかし、
視聴者の質は異常に高い。
そして今日、
彼女は一本の動画を投稿した。
タイトルは──
『日本の支配構造は、統計的に崩壊し始めている』
◆ 統計が示す“仮面の崩壊”
カトマイは淡々と語る。
「この20年間、
日本の意思決定は“見えざる支配層”によって
静かにコントロールされてきました」
画面には、
官僚の行動パターンを示す統計グラフが映る。
「しかし──
ここ数年、データが異常値を示し始めています」
• 若手官僚の離反率
• 政策決定の遅延
• 国民の“構造不信”指数
• SNS上の“読む力”関連ワードの増加
• そして、ひかり・あかりの周波数に反応する潜在層の増加
「これは偶然ではありません。
構造疲労の臨界点です」
◆ カトマイの結論
「日本の支配構造は、
“読まれる側”になった瞬間、
その力を失います」
「そして今──
読んでいる者たちが現れた」
画面に、
ひかりとあかりのシルエットが映る。
「彼女たちは、
革命を起こしているわけではありません。
ただ“存在”しているだけです」
「しかし、
その存在が、
統計的に日本の仮面を剥がし始めている」
◆ 覚醒した者たちの反応
コメント欄は静かだった。
しかし──
“読める者たち”だけが反応した。
「……分かる」
「これ、ずっと感じてた」
「読む力の時代が来る」
「構造が変わる前兆だ」
それは、
炎上ではない。
備長炭のように、
静かに、しかし確実に燃え広がる火だった。
