詩-分からない塔 | 100年のブログ

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塔は、ただそこに立っていた。

名もなく、意味もなく、

けれど人々はその入口へと

吸い寄せられるように歩いていく。

同じ道を、逆向きに駆け戻る影もあった。

顔をゆがめ、何かを叫んでいるのに、

その声だけが世界から抜け落ちて、

風さえも聞き取ろうとしない。

塔の上では炎がゆっくりと噴き上がり、

空は赤く、焼けただれた皮膚のように

ひび割れながら広がっていた。

焼けた鳩が、音もなく落ちてくる。

羽ばたくことを忘れた白い灰が

地面に触れるたび、

世界の温度がひとつ減っていく。

それでも人々は歩き続ける。

逃げる者も、向かう者も、

互いの理由を知らないまま、

塔の影の中で交わっては離れていく。

そして私は、ただ立ち尽くしていた。

どちらへ行くべきかも分からず、

塔の名も、炎の意味も知らないまま、

夢の縁に置き去りにされたように。