では、入会審査に的を絞って話を進めたい。

入会審査とは、過去の顧客データを観察することから得られる経験則に照らして、カード申込者の個人信用を判断し、返済意思・返済能力の有無を客観的かつ公正に決定することをいう。

わが国では、申込者のうち、20%が優良顧客層、20%が何らかの形で信用調査を必要とする層、60%が要注意層といわれている。

入会審査のポイントとなるのは、申込書の記入のみである。

申込欄に他のカード会社と取引がある場合、同社が所属する個人信用情報機関にデータが登録されているので、これを参考にする。

ただし、その利用は、原則として、この個人信用情報機関が自社と同一業態に属する場合に限られる。

申込書から得られる判断基準項目数はカード会社によって若干違いはあるが、おおむね30項目前後である(アメリカは平均で約50項目)。

一昔前までは、審査担当者は自らの経験と勘により、3つのC、すなわち人格に重点を置いて、個人信用を判断していた。

しかし、現在は、この経験と勘による手法に代わって、定性分析および定量分析といった手法が主流となっている。

定性分析には、申込者の人柄、人相・態度・表情、言葉遣い、服装、健康状態、申込書の文字、保険証の汚れ具合、住所と申込み店舗との距離などが使われる。

この分野はいまだにペテラン審査員の「第六感」がよく働くといわれている。

一方、定量分析は、定性分析と異なり、申込者の支払能力を計数的に把握する方法で、定性分析よりも客観性がある。

収入、可処分所得、貯蓄、職業、勤続年数、住宅状況、負債の状況などを数値化するやり方だ。

ただし、これらのデータはあくまでも入会申込書において正しく申告されたものでなければならない。

ある専門家によると、他社借入れ状況については、多重債務者の申込書の場合、ほとんどが過少申告か虚偽申告であるという。

これを最初の段階でどうやって見破るのかが、審査担当者の腕の見せ所である。