待ち続けた日。
合格通知を持ったまま、
走ってきた娘の姿は、
一生、忘れられないと思います。
桜、咲く。
娘の夢に翼がついた日。
夏前、
「わたし、ここへ行きたい」
娘がそう言った頃、
志望校には偏差値が15以上届かなかった。
そして専門科のため、
募集人数はほんのわずか。
合格圏に入ることなど、
到底想像できなかった。
15歳で挫折させたくはない。
長い人生の入口では、
達成感だけを持って進んでほしい。
何度か、遠回しに諦めさせようとした。
いまはそれを恥じているけれど。
娘の意思が変わることがない。
そう理解したあと、
わたしも覚悟ができた。
娘の夢はそのまま、
わたしの夢だから。
何度も何度も話した。
なにも心配しなくていい。
併願校の私立もとても良い学校だから。
大事なのは、
そこでなにをするかなのだから。
だからなにも心配しなくていいんだよ。
この努力が、
この先大きな自信になって、
きっとあなたのこれからを支えてくれる。
だから大丈夫だ、行け行け!
そう話した。
何度も。
娘が夢を叶えた日。
娘の夢に翼がついた日。
人生最良の日。