今年もあんちゃんの月がきたよ。
街のそこかしこに。
紫陽花。
あんちゃんの悲しい知らせは、
あすちゃんと一緒にいるときに届いた。
山下公園のベンチに座っているときに。
かわりばんこに泣いた。
あすちゃんが泣くと、わたしが肩を抱いて。
わたしが泣くと、あすちゃんが背中をなでて。
ふたりで言った。
ひとりでは到底受け止められないからきっと、
わたしたちがふたりでいるときに、
こうしてくれたのだと。
あんちゃんは優しい人だったから。
本当に本当に。
あんちゃん。
わたしが子宮がん検査はイヤだ、
行きたくないと言ったら、
少し睨むようにわたしを見て、怒ったよね。
検査に行かなきゃいけない目安の日を過ぎるといつも、
あんちゃんのその顔を思い出して、予約を入れてたよ。
ちゃんと行ってたよ。
そしてね、ちゃんと行った結果、この夏、
子宮と卵管を取ってしまうことにしたよ。
もう検査することもなく、癌に進行していくこともない。
あんちゃんはきっと、
haruちゃんがそれで良かったなら良かったよと、
男前に言ってくれただろうなあと思う。
ちょっと大げさに言うと、
そういう記憶に、生かされているように思うことがあるよ。
全然忘れてない。
もうすぐあんちゃんの年に追いつく。
ヘンな気分だけれど。
たとえ追いつき、追い越していっても、
あんちゃんの優しさには一生届かないような気がする。
ずいぶん持ち上げてくれるじゃん!
なんていう声が聞こえそうだなー(笑)
相方によろしくね。
大好きだよ。
変わらずにいつもいつも。
これからも。