病院関係の書類を整理していたら、
去年の秋の婦人科の体がん検査での結果に、
「核の腫大した内膜細胞を認めます。
治療の影響、反応性と考えますが、
フォローアップを希望します」
と小さな文字で書いてあるのを見つけた。
結果を聞いたときは気づかなかった。
問題ないですね~みたいな感じで、
さらっとこれを手渡されたから、
なんの憂いもないんだと思っていたんだけれど、
これはどういう意味なんだろう??
友人医師に聞いてみた。
婦人科なんてさっぱりわかんないんだけど、
と言っていたけれど、
「細胞診の所見は5段階評価のはずで、クラス5だと悪性。
この記載だと2か3くらい。
ホルモンや抗がん剤の影響で、
細胞の形に変化が出るのはよくあることなので、
次回の検査でも注意して診断しよう、ということだね」
という返事がきた。
そうなんだ、理解できて良かった。
わたしはこの友人医師に出会うまで、
医師は病院にいるか、
それともどこかで研究とかをしているもの、
と漠然と思っていた。
もちろんいろんなお医者さんがいるのだろうけれど。
友人のしていることを聞くと、
ええ?そんなことをしているの?と驚くことが多い。
自分の専門の治療に有効であると知れば、
北へ南へ自腹でどこへでも行き、
自分の患者さんに有益な話を持っている人がいれば、
その人がどこへいようと会いに出かける。
法律が邪魔をするなら、
専門家の力を借り、制度を変えようと試みる。
なんの私利私欲もなく、
全ては患者さんのため。
心から尊敬する。
わたしはこの人に出会えて、
心から良かったと思っている。
友人はこの4月から、
それまでよりも仕事が多忙な環境になった。
あなたが忙しいということは、
回り回って患者さんのためになるのだから、
素晴らしいことだね。
そう言うと、
そうだね、でもその視点は持っていなかったな、
と、嬉しそうだった。
多忙な自身の仕事の合間を縫って、
相変わらず東奔西走している姿を見ていると、
医療は必ず進歩する、と信じることができる。
そう思うと、わたしの大事な人たちのことが浮かぶ。
未来を変えるんだね。
そう言うと、いい言葉だね、と友人医師。
患者さん達にとって、
本当にいい主治医なのだろうな、と心から思う。
少し前、あるやり取りのなかで、
独特の治療を行う医師への批判記事の話題が出たとき、
友人医師が言った。
「万能な医者なんていない。
結局、患者と共に歩くしかない」
この言葉が、病気と闘う患者や家族に、
どれだけ勇気を持たせるか、
言っている本人は知らないんだろうな、と思う。
自分が癌にならなければ、
友人のしていることを、
いまのようには理解できなかっただろうと思う。
病気も悪いことばかりではないと思うくらい、
未来へ希望を持たせてくれる、
この友人医師に出会えて良かったと思う。
未来はきっと変わる。
がんばれ、がんばろう!