昨日。
帰ったら、書留の不在通知が。
司法書士事務所から、わたし宛に。
予感があり、その事務所の名前をwebで検索した。
その住所を見て、わかった。
父が亡くなったのだと。
いつかこういう形で、
父の死を知るのだろうな、と分かっていた。
でもそれはもう少し先のことで、
あともう少し、父に会うという選択肢は、
わたしにあるのだと思っていた。
30年の間、
声を聞くことも会うこともなく。
いまのわたしの日常にも感情にも、
父は全く影響していない。
なのに、涙が流れて驚いた。
間に合わなかった。
会おうとしなかった。
勇気を出すことができなかった。
会えなくても、この世界のどこかで、
父は存在している。
それでいい、そう思うことで、
会わないでいることの帳尻を合わせていた。
もう会えないんだな。
もうこの世に、
父の姿形はないんだな。
そう思ったら、涙が流れた。
不思議だなあと思いながら泣いた。
ありがとうも、ごめんねも。
全てもう届かない。
傷つくかもしれないことが恐くて、
言い訳ばかりして今日になってしまった。
でももう傷つくことはないんだな。
その代わり、
悲しみに覆われていま少し苦しいけれど。
お父さん。
お父さん。
心のなかで何度も呼びかけるんだけれど。
その先の言葉が出てこないんだよ。
離別したそれからの人生が、
幸せだったといい。