いつか書こうと思っていたこと。
かつてわたしは、
人生は波瀾万丈がいい、
平凡なんてつまらない。
人と違う人生を歩きたいと、
いつもそう思っているような人間だった。
楽しいこと、
やりたいことをいっぱいして。
太く短い人生でいい、と。
いまもそう思っているかと聞かれたら、
そうだとは言い難いところもあるけれど。
でも、人生は長さが全てではない。
そう思う。
病気以降、
考え方が、本当に変わった。
それまで考えたことがないようなことも、
一生懸命考えるようになった。
病気になって、見えてきたもの。
それらに圧倒されて、
たぶんわたしは大部分が生まれ変わった、のかも。
わたしは、
空の上には第二章があると信じている。
乳がんを告知されて、
頭が混乱していた頃。
乳がんの宣告、
イコール死であると思っていた頃。
ふっと思ったことがあった。
もし、人間が、
「死ぬ人間」と「死なない人間」に分類されて、
わたしが癌告知により、
「死ぬ」方に弾き飛ばされていたとしたら。
その理不尽さに怒り、妬み、
間違いなく気が狂っていた。
でも、そうではない。
永遠に生きる人はいない。
みんな同じなのだと。
同じところからきて、
同じところへ還るのだと。
当たり前過ぎることに今更気がついて、
いままで、なんてお気楽に生きてきたんだろうと、
愕然とした。
波瀾万丈の人生がいい、
人生は太くて短くて全然いい。
そう思っていたくせに、
なんにも考えていなかった。
告知後、何度となく、
泣いて、喚いて、
これ以上のどん底はない、というくらい、
気持ちが真っ暗闇の底に落ちて。
そして、思ったことは、
空の上には、第二章がある、ということ。
そして、
信じることは、
こんなに心を強くさせる、ということ。
そしたら、一期一会、
という言葉も、すっと胸に入ってきたよ。
あれだけずぼらだったわたしが、
病気後、こんなに人付き合いを大事に思うようになった。
いま、この空の下の繋がりは、
第二章もずっと続く。
雲の上で。
また必ず会える。
そう思ったら、
すごく強くなれた。
乳がんがわかってから、
ぼんやりと、
だけどずっと、頭にあったこと。
書き留めます。