今夜、7時。
11ヶ月ぶりに、美容院へ。
7月に、床屋、
今月上旬に、飛び込みで美容院。
そろそろ本当に脱ヅラが迫ってきて、
でも、想像以上にそれは勇気がいることで、
なかなか、えいやっといかなかった。
最後にやっぱり、
長くお世話になっている美容師さんに見てもらって、
ウィッグを卒業しようと、
ドキドキしながら、電話をし、
長い間のご無沙汰をお詫び。
乳がんの告知を受けた直後、
美容師Mさんには、
癌になっちゃった、と話していた。
ただその頃は、
口を開くだけで涙が出るような、
「カミングアウト」するということに、
全く慣れていなかったときだったので、
いま思うと、Mさんもすごい衝撃だったろうと思う。
最後に行ったのは、
放射線が終わったときだった。
そのときわたしは、
ki-67の検査結果を待っていた。
いまだから言うけれど、
自分がまさか抗がん剤治療をすることになるなんて、
これっぽちも思っていなかったときだった。
脱毛する治療は避けられそうなの、
仕事ももう再開するんだ、
わぁ、良かったですねえ、
みたいな会話をした数日後、
まさかの抗がん剤治療開始となり、
デジパーかけてみましょうよ、と、
Mさんが言ってくれた、あたしの髪は、
きっちり2週間後に、あっけなく抜けた。
それから、ずっと、
足を向けることもなく、
電話することもなく、
家の近所のその美容院の前を、
避けるようにいつも歩いていた。
ずっとずっと、慣れ親しんだところ、
そして、Mさん。
ハゲた自分を見せたくなかったし、
わたしよりずっと若いMさんが、
癌でハゲたわたしを受け入れてくれるかが怖くて、
行けなかった。
電話でMさんは、
「はい、ええ、はい」と、
もともと、あまり口数が多い方ではなく、
オトコっぽい、職人タイプのMさん、
淡々と、わたしの言うことに相槌を打っていた。
愛想がいいとは言えないMさんだけれど、
5年間、ギネス級の多毛なわたしの髪の面倒を、
見続けてきてくれた。
話しながら、
ああ、どうして最初からこうしなかったんだろう、
という思いで胸がいっぱいになった。
着付けのときに使うパテーションを立てますから、
大丈夫です。
夜7時に来てください。
娘ちゃんも連れてきてくださっていいですからね。
無駄なことは一切言わず、
きびきびと対応して話が終わった。
最後に言ってしまった。
「わたし、ホントすごい頭なんだよ、笑わないでね」
間髪入れずに、
「笑うわけないじゃないですか、大丈夫です!」
ごめん、緊張してるの、と言い訳した。
わかります、緊張しますよね、
でも大丈夫ですから、と、
何度も大丈夫だと言ってもらって、
電話が終わった。
今日、9月28日。
もしかしたら、今日はまた、
記念日になるかもしれない日。
でも、Mさんが、まだ無理と言ったら、
もう少しがんばって、かぶるけどね(笑)
あたしのアタマの運命や、いかに?!
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