久しぶりに泣いた。
いつぶりだろう。
わたしの涙を見て、
夫も動揺していた。
何故、泣いたか。
夫が、実母のことを持ちだしたから。
夫は、わたしが、実母に対して、
怒りの感情を持っている、と思っている。
そうじゃないんだよ。
話し始めたら、
涙が止まらなくなった。
もう傷つきたくないんだよ。
わたしは、穏やかに毎日を送りたいだけなの。
癌と分かってから、いままで、
気持ちを安定させるのが、
本当に大変なときがあった。
いまでも、そういうときがある。
再発や転移の不安、
身体の不調、
病気が連れてきた、たくさんのもの、
それに加えて、実母とのごちゃごちゃ。
何度も心が折れそうになった。
実母が実際わたしに言った、
いくつかのことを、初めて夫に話した。
本当は話したくなかった。
いじめられた子が、
その事実を話せないのと同じように。
この家庭のなかに、
それを持ち込みたくはなかったから。
わたしがもし親にならなかったら、
ここまで実母のことを、
悲しく思わなかった。
もしこれが、わたしと娘だったら。
癌になった娘を抱いて、
どうかこの子を助けてくださいと、
神さまに祈り、
自分が変わってやりたいと、
心から願う。
想像だけでも、胸がえぐられる。
そう、淡々と話した。
それまで、
「でも」、「だって」、と、
何度も口を挟んだ夫も、もう何も言わなかった。
実母と距離を置くことで、
この1年、一生懸命、気持ちを保とうとしてきた。
気が触れてしまいそうなときもあった。
一度だけ、電車に飛び込みたい衝動にかられた。
目の前を電車が通過したときに、
わたしが、その瞬間、
夫も子供も、全てを忘れ、
超えてはならない何かを超えてしまったことに、
あとから、とても恐怖を感じた。
超えた先に見えたものは、真っ暗闇だった。
絶望って真っ暗闇なんだな。
泣きながら、電車に乗った。
1年前、明らかにわたしは病んでいた。
でも、少しずつ、元気になって、
仕事をして、
かつてに近い生活を取り戻せている。
穏やかに日々の生活を送りたい、
いまのこの生活を守りたいだけなんだよ。
だから、それをかき乱すようなことには、
わたしは近づきたくないだけなんだよ。
夫が、わかってくれたと思いたい。
縁を切った、と以前に書いた。
本当は、縁なんて切れるわけがない。
あれから半年、
実母とのことを考えない日は、一日もない。
本当に縁が切れたのなら、
こんなに涙は出ないだろうよ。
一生懸命積み上げてきたものが、
ばらばらと音をたてて、
崩れてしまったような気分。
明日からまた、
積み上げていくしか、ないんだろうな。
強くなりたい。
すごく、そう思う。
書くことで頭がかなりすっきりしました。
明日はもう、元気です。
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