いつの間にか、梅雨も開けた。
じりじりと、夏のてっぺんに向かって、
登っているみたい。
去年の7月上旬に告知を受け、
入院が31日、
手術が8月1日だった。
まさに、夏のてっぺんに。
去年の夏も、暑かったのだと思う。
でも、何も覚えていない。
何をしていたのかも、思い出せない。
去年の夏のことを、全く思い出せないんだ。
そう言った。
娘は、
「夏休み中のごみ捨ては、いつもあたしが行ったんだよ」
「ママの病院に一緒によく行った。そのあとマックへ寄ったよね」
ダンナは、
「俺は10日間くらい会社休んだのかなあ?」
「定例の出張も、2回くらい欠席したなあ」
ああ、そうだったかもしれない。
それでも、それ以外のことは思い出せない。
特に、告知から入院までの、
3週間ほどの記憶が抜けているよう。
でも、強烈に覚えていることも。
取り憑かれたように、
家の中を片づけ、モノを捨て続けた。
怖かったのだと思う。
いつわたしが、この家の主婦でなくなるのか、と。
この家に戻ってこられなくなる日がくるのではないかと。
そして、捨て続ける反面、
食料品を大量に買い続けた。
冷凍庫も冷蔵庫も、いっぱいになり、
保存できるものは、棚へパンパンに押し込み。
それでもまだ、目に付くと買い続けた。
自分でもおかしいと思いながら。
動けなくなる日がくるんじゃないか、
そう思っていたんだと思う。
捨て続け、
そして、買い続け、
日々のあれやこれやをなんとかこなしながら、
そして、ひとりになると、泣いた。
里親センターからきて間もない猫を見ては、
この子を返したほうがいいのだろうかと、
たぶん幸せにはしてあげられないと、
また泣いた。
先日の診察のあと、何日かして、
あ、これで2年目を迎えた、
ということなんだな、と気がついた。
よく、術後1年検診、とか、
検査でPETや、骨シンチをした、
というような話も聞くけれど、
わたしの病院ではとくに何もおおきな検査もなく、
術後1年に予定していたCTも、
TC投与中に肺炎になったおかげで、
去年やってしまったので、今回はなし。
エコーだけ。
でもそれで良かったのかもしれない。
検査項目が少ないという、
不安や心配はあるけれど、
目白押しに検査が組まれていたら、
それはそれで、
気持ちがしんどかったかもしれないから。
そう思うと、ゆるく2年目を迎えられて、
チキンなわたしには、
ちょうどいいのかも、と思おう。
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