娘の本。
かすかに見覚えのある表紙の絵。
かすかな記憶が、いったいいつのものなのか、分からないくらい大昔。
幼かったわたしも、確かにこの本を読んだ。
『クリマスキャロル/しあわせな王子』
原作=ディケンズ/原作=ワイルド
表紙の絵は、『しあわせな王子』のなかの王子。
あらすじは全く思い出せないけれど、
悲しい話、ということだけ、覚えていた。
広場に立つ、王子の銅像。
南へ帰る前に、王子の銅像の足元で休むツバメ。
銅像の王子に請われるまま、
王子の目であるルビーやサファイヤを貧しい民に運ぶツバメ。
身体の金箔も全て分け与え、
目も見えなくなり、裸になった王子と、
疲れ果て、力尽きたツバメ。
取り壊され溶かされ、鉄の塊になった王子。
ゴミ捨て場に捨てられた、王子とツバメ。
神様に、いちばん「とうといもの」を持ってくるように言われ、
この町に舞い降りた天使に抱かれ、
王子とツバメは、静かに空へ昇っていった。
泣けてしかたなかった。
ホルモン剤の影響なのか、
相変わらず、感情の波がある。
調子がいいときは、力がみなぎり絶好調。
悪いときは、どこまでも果てしなくどん底に。
これを激しく行ったり来たりするものだから、
まるで、暴れ牛の手綱を必死でつかんで、
振り回されてる人のようだ。
ちょっと大げさか(笑)
そして、以前よりも、涙もろい。
悲しくても嬉しくても、感動しても、
涙が出て止まらない。
そんなわけで、もうひとつのお話である、
『クリスマスキャロル』は、まだ読めていない。
続けて泣くと、目が腫れるから(笑)
「とうといもの」
生きていく限り、
とうといものを、心に忘れたくない、と思った。
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