あと2回で、放射線が終わる。
25回の照射を終えたら、ホームに戻り、次の治療に進む。
改めてわたしの病理結果を書くと、
・浸潤性乳がん 硬癌
・多発癌 (いちばん大きなものが34×20×17)
他、2つ、合計3こ
・ステージ Ⅱa
・リンパ管侵襲 lyo
・脈管侵襲 Vo
・リンパ節転移 No
・断端 -
・ER +++
・PGR ±
・HER2 -
・グレード 1
・ルミナールA型
・ki67 29% (10/26に判明→TC療法へ ※2012/01/20追記)
8月31日の病理結果から2ヶ月あまり。
これからの治療をどうしたらいのか、考え続けた。
本も読んだ。
地方の病院で病棟に勤務する友人を介し、腫瘍内科医の方から話を聞くこともできた。
しこりが3つもあり、最大のものは3センチ超、他の2つも2センチクラス。
しこりの大きさ、その数、年齢で、化学療法が選択肢の中に入る。
病理説明をしてくれた医師は、ホルモン剤、またはそれに経口の抗がん剤をプラスでいいのでは、との見方。
わたしのタイプには、抗がん剤は大きな効果は期待できないのだそうだ。
先生ならどうしますか、と訊ねてみた。
「そうね、経口薬まではやるかな」 と、即答でサバサバサバッと返事が来た。
放射線の間、よく考えてごらん~と、送り出されて、今に至る
どういう治療を選ぶか、そう考え続けたら、
それはそのまま、どう生きたいか、ということにつながっていった。
わたしはどう生きたいのだろう。
死亡率、再発率、全て数字やグラフで表される。
数字にはなんの暖かみもなく、淡々と生と死が、あるところで色分けされる。
途中から、そういう資料を見ることが心からイヤになり、見るのをやめた。
何冊も本を読んだけれど、がんの知識や治療方法等を知るにとどめ、
あまりにも書き手の主観が全面に出てくるものなどは、読むのをやめた。
即決であるべきだっただろう、と思う。
わずかでもゼロより数字が上がるのなら、やる、と。
ましてやそれが再発率を低くするものならば、どんなにリスクが高くてもやるべきことだろう。
わかっていながら、考え続けた1ヶ月半。
誰か背中を押してくれー。
これこれこうだから、こうしろ!と誰か決めてくれー。
自分で踏ん切らなければいけないのだとしたら、なにをもって踏ん切ればいいのだろう。
そんなことを考えていた中で、気になったのがKi67
病理結果で聞かなかったのはどうして?と電話で問い合わせたところ、
やる必要がないと判断したからやらなかった、との答え。
わたしのがんのタイプは、ルミナールAの典型的なものであり、調べた内容に矛盾がなかったから、とのこと。
辻褄が合っていたから、それ以上の検査の必要がなかった、ということですか?との問いに、
「そう!」と元気な声が返ってきた。
そうか!
でも気になる!
もし、やっていないKi67の数値が実はとんでもなく高かったら??
数週間後、もう一度電話で、いまからKi67の検査をお願いできるか聞いてみた。
必要がない、と言われた検査をお願いするのは、正直勇気が要った。
けれど、できるよ、大丈夫ですよ、のあとに、まあ一度いらっしゃいよ、とまで付け加えてもらった。
乳がんより以前も、医師との関係はいつも受け身であり、
なにかモノを申すだの、意見を言うだなんてことはしたことがなかった。
乳がんになってからは、待ち時間が恐ろしく長いあの待合室を思うと、
聞くだけが精一杯で、質問すらあんまりしかたことがなかったくらいだ。
でも、今回はきちんと話すのだ。
いま決める治療というのは、これからわたしが生きる未来を決める、ということでもあるから。
そして、後悔しても、もう後戻りはできないのだから。
と、決意したものの、緊張シィなので、要点は全部ノートに書いていった。
しかも、診察室に入ったら恥ずかしいとか、どうでも良くなって、
「先生、忘れちゃうといけないから、全部書いてきましたぁ」と開いて見てもらった。
どれどれ~、じゃあいっこいっこ見ていこうか!と先生。
質疑応答?を終え、先生、わたし、いろいろ考えたんですが、と切り出し、
やらなくても良いのであれば、化学療法は避けたい。
けれど、やらない選択は、再発を考えると勇気がとても要る。
でも、再発するときは、どうしたって再発することも理解できる。
なので今回は、最後にKi67の結果を聞いて、踏ん切りをつけたい。
万一再発したときに、でもあの時は最善の選択をした、と思いたいから。
と、話した。
途中一度も口を挟まずに、ただ、うん、うんうん、と聞いてくれた先生は、
「よし!やろう、Ki67!」とチャチャチャっとなにか紙に書き付け、看護師さんに渡し、
「2週間で出るからね、そしたらまた作戦会議しよう」と、ニカッと笑っていた。
今回、乳がんになって、生まれて初めて、余命を意識し、
死ぬということ、生存率、再発率、いろんなことを考えた。
人はみんないつか死ぬ。
それは間違いない事実なのだから、いままで考えてこなかったほうが、もしかしたらおかしいのかもしれない。
病理結果のあと、わたしの10年生存率は、有無を言わせず、%で表されてしまった。
でもそれは、本当は全てのひとにある見えない「余命のあらすじ」が、
がんになったことで、わたしには見えてしまっただけで、
わたしの未来には、他の見えない「あらすじ」も、きっと無数に広がっているのだろう。
よし。
いちばん長く楽しそうな「あらすじ」に乗っかれるようにしよう(・ω・)/
わたしはどう生きたいのか。
それはまだ全然答えが出ない。
でも、いまいちばん近い気持ちは、普通に、でも多くは望まないけれど、幸せを感じて生きて行きたい。
って、超抽象的ですから(;^ω^A
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