この可愛い花はヘクソカズラといいます。葉をちぎると名前の通り臭いです💦 花は可愛いのですが、残念な名前をつけられています。
ヘクソカズラ(屁糞葛)
アカネ科ヘクソカズラ属の蔓(つる)性多年草
このヘクソカヅラは万葉集に「屎葛」という名前で登場します。古代から残念な名前だったようです。
さうけふに 延ひおぼとれる 屎葛
絶ゆることなく 宮仕へせむ
高宮王
ソウキョウにまとわりつくように這っているクソカズラ
そのクソカヅラのように私めはいつまでも宮仕えしたいものです
「さうけふ(皂莢)」は、サイカチ(槐)ともジャケツイバラ(蛇結茨)ともいわれています。
サイカチ
マメ科ジャケツイバラ亜科の落葉高木
別名:カワラフジノキ
幹に葉鋭い棘がある
花期は5~6月
果期は10~11月で、長さ20~30cmのねじれた豆果をぶら下げる
ジャケツイバラ(蛇結茨)
マメ科ジャケツイバラ亜科のつる性の落葉低木
茎と葉軸の裏面に鋭い逆棘がある
枝がもつれながらくねっているさまを、ヘビがからみ合っているようすに見立てて名付けられたといわれる
花期は5~6月
果期は10~11月で、長さ7〜10cmの豆果をぶら下げる
両方ともマメ科ジャケツイバラ亜科で、鋭い棘を持っていますね。「ソウキョウ」がどちらを指すのか、解釈が分かれています。
この歌は、ソウキョウを朝廷、ヘクソカズラを自分に例えています。
自分を臭いヘクソカズラに例えて謙遜しているかと思えば、朝廷を棘のあるソウキョウに例える。いいですね~(笑)
作者の高宮王は奈良時代の人ですから、その頃は藤原氏が政権を握っていました。朝廷=藤原氏と考えてよいと思います。
では、「ソウキョウ」はサイカチでしょうか?それともジャケツイバラでしょうか?
サイカチの別名はカワラフジノキ・・・フジですよ!藤!
この「ソウキョウ」は、サイカチを指している?
でも、ジャケツイバラはつる性で、逆向きの棘を持っている・・・権力を求めて上へ上へと藤原一族で絡み合うように伸び、しかも逆向きについた鋭い棘で他氏を自分の前(上)には出させない。
フジも(棘はありませんが)同じつる性。この「ソウキョウ」は、ジャケツイバラを指している?
んー、どっちも捨てがたい。