緊張と弛緩を感じる。 | セントラルたなか鍼灸院

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こんにちは!

セントラルたなか鍼灸院の井手口猿です。

 

現代社会はストレス社会だとよく言われます。確かに多くの人たちが日常生活の中にさまざまなストレスを感じており、そのストレスといかに付き合っていくのか、どう対処すべきなのかということが至るところで叫ばれています。

 

過度なストレスが自律神経やホルモンバランスを崩し、それが身体の不調として現れるという解釈は、広く一般の方々にも浸透した考え方になっています。

 

我々の行う鍼灸治療も、その作用機序として自律神経を介した反射の関わりが考えられていたり、また東洋医学の真髄は陰陽のバランスを整えることですので、現代医学的には自律神経(活動時に優位に働く交感神経と安静時に優位に働く副交感神経)のバランスと解釈して説明されたりします。

 

いわゆるストレスを考える時、科学的な裏付けや医学的にどうこうと説明をするまでもなく、心の緊張状態が身体の緊張状態を誘発し、その逆もあるということはしばしば経験されることだと思います。

ただ、人が活動するということは、その活動を推進する緊張(刺激、ストレス)を必要とすることなので、緊張(刺激、ストレス)それ自体は悪いものではありません

 

たとえばスポーツ現場であがりの状態を対処しようと直前にマッサージをしたりすれば、逆に気持ちが盛り上がらず思うような結果が得られなかったということもあります。

 

問題は、適度に緊張することができずに過度に緊張してしまうことなのです。

 

過度の緊張に対して弛緩した状態が有効であるのなら、上述のマッサージを受けるなどの外部刺激を受けて筋緊張をとってしまえば、緊張状態は緩和されるものと単純に考えてしまいがちです。

しかし時にその方法が適した刺激であったにも関わらず、自らに心身の緊張があることに気づいていても、その緊張が慢性化したために弛緩していることに気づけない場合があります。

 

つまりストレスや緊張とうまく付き合っていくためには、まずは自らが緊張を感じ、それをコントロールして弛緩を体験できるようになることが必要です。

 

「力を発揮しなければいけない時に適度な緊張を自ら発揮することができ、緩めたい時には緩めることができる。」

 

これがとても重要なことであり、大変難しいことでもあります。

すべての状況に自らの力だけで対処することは不可能ですが、日常生活の中で少しずつ訓練していくことで、自分が置かれた状況に応じた適切な緊張と弛緩のバランスを、主体的にコントロールできるようになっていきます。

 

緊張と弛緩をともに感じれるようになってこそ、マッサージや鍼灸などの外的刺激による各治療法、また好きな音楽を聴いたり人と話したりするなどの日常的気晴らしや気分転換など、それぞれの効果を高めていくことにつながり、心身の健康につながっていきます。

 

そしてその適切な緊張と弛緩をバランスよくコントロールできるようになるための方法の一つとして「呼吸法」があります。

 

呼吸というものは我々が寝ている間も停まることがないように、普段は自律神経がしっかりとコントロールしてくれています。自律神経は我々が意識しなくても働いてくれていますので、胃腸や心臓などの内臓機能は我々が働けと意識する必要もなく動いてくれる代わりに、こういうふうに動けと思い通りにはならないものです。

 

しかし呼吸だけは別です。

 

意識的に呼吸を早めたり、止めることもできます。つまり自律神経がコントロールしている呼吸を介して、無意識化で緊張と弛緩のバランスをとっている自律神経を自分でコントロールするようにアプローチできるのです。

 

座禅や太極拳、気功、ヨガなど、東洋的行法の中で重視されている呼吸法の多くは「腹式呼吸」のパターンを随意的に行ないます。呼吸パターンと情動の関係は深く、恐れや怒りの状況では「胸式呼吸」になり呼気と吸気の間が短くなる傾向があり、反対に落ち着いている時の呼吸パターンが「腹式呼吸」です。

 

 

それでは呼吸法の最も基本的なポイントを3つ紹介します。

 

①姿勢

体位によって腹式呼吸と胸式呼吸の優位性が変わります。立位の時は呼吸筋の活動が高まり仰臥位の時は弱まるので、寝ている時の方が横隔膜による呼吸、すなわち腹式呼吸が容易になります。慣れないうちは仰臥位で行いましょう。慣れてきて立位で行う際には、体軸が重力に対してまっすぐになるような姿勢を維持することでより効果的になります。

 

②「吸息」と「呼息」

呼吸に類似した言葉として「息」があります。これは「自分の心で呼吸する」という意味であり、吸う息は自然に任せ、吐く息は吸う息よりも長くするようにします。自律神経の働きも、息を吸う時は交感神経が優位になり、吐く時には副交感神経が優位になります。吸う息の時間の2~3倍程度息を吐くようにするのがコツですが、それをあまり意識するとかえって緊張する場合もありますので、以下の順で練習していきます。

  1. はじめはまず、吐く息だけに意識を向ける。「少しずつ、細く、遠くへ」吐いていく。
  2. 吐く息を自然に感じ始めたら、吐く息と同時に力の入っていると感じる部分の筋緊張や、今感じてるネガティブは感情を外に吐き出すイメージで呼吸を続ける。
  3. 体の力が抜ける感覚を感じ始めたら、吸う息に意識を向け、ゆったりと呼吸を行なう。

③身体感覚に対する気づき

息を吸う時はお腹がふくれて体が緊張し、吐く時にはお腹がへこんで体が弛緩します。呼吸に伴って自然に生じる体の緊張と弛緩に注意を向けることが、心身のセルフコントロールにとって重要です。注意を集中し、体の感覚に気づきやすくするためにも、吸息後に2,3秒ポーズをとってから息を吐くとより効果的です。いずれの場合にもあまり形式にとらわれず、その時の自分が楽だと感じる方法でスタートすることが大切です。

 

 

さまざまなところで呼吸の重要性、腹式呼吸の大切さや効果が謳われています。

忙しい日常の中でも、一日5分だけでもいいので呼吸に集中する時間を持ちましょう。

緊張と弛緩を感じることで自らの体と心の状態に気づき、それが自然と健康な生活へとつながっていきます。

 

 

セントラルたなか鍼灸院  

井手口 景

 

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