多分どこでもある話だと思いますが…… | 介護職員の本音 「認知症介護を楽しく乗り切ろう」

介護職員の本音 「認知症介護を楽しく乗り切ろう」

世間の介護事情や認知症介護についてあれこれ言いあう場。政府だけに頼らず手っ取り早く現場を変えられるのは介護職員です。

私の職場には歩行もままならず、頻繁に転倒事故を起こす利用者が多く入所しています。
このような利用者は別に珍しい利用者では無く、どこの介護施設でも入所しているでしょう。


このような利用者が多い場合、少ない人員で見守りしなくてはならないので、職員泣かせの利用者と言われることも多く、問題がある利用者と判断されがちですよね。



私のフロアではこんな利用者に対し、私の見えないところで拘束をされていることが多いようです。

先日も夜勤でしたが、溜まった仕事を片付けるために、出勤時間よりも早く職場に入りました。
すると壁と重たいテーブルの間に挟まれて車椅子に座っている利用者さんを見つけました。



「また拘束しているな………」



このようなことは初めてではなく、ちょくちょく多動の利用者に対し、職員が行なっている対応です。


流石に私も半分キレました。
「毎回言っているけどこれは拘束だよ」
「今すぐやめてください」


職員たちは悪びれる様子も無く「怒られちゃったよ」とヒソヒソ話しながら、その利用者を開放しています………
私は当日勤務していたベテランリーダに、これについての注意をしました。

「あなたが勤務していながら何故こんな対応しか出来なかったの?」
「少ない人員で勤務しているので忙しいのは分かるけど、限度をとおりこしている」
「この利用者さんが、何で頻繁に立ち上がって動こうとしているか考えましたか?」
そのリーダーは悪びれた様子もなく、私にこう言います。
「転倒したらどうするの?」




正直私もダメだこりゃ…と思うしかなかったです。

現場のリーダーである人材が、禁止されている行為を何の疑問もなく行なっている現状。
その利用者さんがどうして立ち上がり、動こうとしているのか考えないこと……



このようなことは初めてではないので、一応介護部長にも報告しました。
また再発防止も考えなくてはなりません。

介護部長も現場の現状を知っています。
毎日少ない人員で職員が大変な思いをしていることも。
時々このような拘束を見かけるのも。
その度に介護部長も注意をしてくれています。

部長いわく……
安全が保てないなら、ケアマネに報告して拘束の許可を取って下さい。
責任者の知らないところで何の疑問もなく行っていることが大きな問題です。
拘束もその時の利用者の身体状況によって行うことが許されているのだから。
ただ職員が足らないから拘束しますは許されないかもしれませんけど……

しかしケアマネも含めて現場で困っている事例を相談するのは、意味が無いことではありませんよ。




私としても職員の気持ちも痛いほど解るんです。
少ない人員で対応しているし、見守りや介助しなくてはならない利用者は、まだまだ沢山いるのですから。
その利用者さんだけに、ずっと付き添うわけにはいかないので………

私が怒りを覚えたのは私のサポート役でもあるリーダーが、何の疑問もなく、また注意もすることなく、そのまま拘束を許していたことです。
凄く失望しました………………




正直私も昨日のブログにも書いたように、Nコールを外してボタンを押せないようにしようかと思ったのも事実です。(これも虐待や拘束)

ただそれはしませんでした。
(結果的にきつい口調で対応してしまったのですが)


認知症介護って不適切な対応をしても、直ぐに利用者は忘れるし、黙っていればバレないと思う人は多いんですよね。
確かにそのとおりなんです。


また拘束という行為はグレーのところもあって、これ以上は拘束で、これ以下は拘束じゃ無いという曖昧な自分だけのルールも存在します。(本当は正しいルールはある)

正直私もそんな曖昧なルールがありますからね。




正直今回は拘束をしたことに怒っているのではないのです。
正しい判断をするべきリーダーが何も疑問も持たず、それを見逃していたことに、頭にきてしまったんですよね。

リーダーたる人材ならば、肝に銘じてほしかった……………