スタート時点での詰めが甘かったのでは | 介護職員の本音 「認知症介護を楽しく乗り切ろう」

介護職員の本音 「認知症介護を楽しく乗り切ろう」

世間の介護事情や認知症介護についてあれこれ言いあう場。政府だけに頼らず手っ取り早く現場を変えられるのは介護職員です。

介護業界のリーダー職育成を本格化する

リーダー級介護職員の人材不足は深刻

厚生労働省は先日、民間のコンサルティング会社などの協力を得て、介護現場のリーダー級の職員を育成する方針を発表しました。2020年度から30の自治体で試験的にスタートし、2021年度以降に全国規模で展開するとしています。
同省によると、来年度中に介護サービスの質を向上させる意欲のある自治体を選別。職能団体やコンサルティング会社と協力しつつ、リーダー級の介護士の育成を資金面で支援していくとのことです。
自治体の取り組みの中で優れていると認められる手法はロールモデルとして設定し、2021年度以降に全国に広めていく予定です。

民間企業における人材育成のノウハウを、管理職レベルの介護士育成に活用するのが今回の施策の狙いと考えられます。「介護現場に的確なマネジメントを行える人材が不足している」との有識者による指摘は、以前からありました。
また、現在政府は介護分野の人手不足を解消すべく、人材の新規参入や転職者の受け入れ、外国人の採用などに力を入れていますが、中間管理職を育成するプロジェクトは展開していません。そのため、「介護の職場を魅力あるものにするリーダーを育てにくい」と指摘する声も多く上がっていました。
こうした意見を背景として今回の施策が発表されたわけですが、今後どのような展開をみせるのか、現在注目が集まっています。

リーダー級職員の重要性が増している

実は介護現場には、「フロアリーダー」や「介護リーダー」など、リーダーと名の付く役職は多くあります。
もともと介護施設・事業所は、介護保険法で規定されている配置基準に従って職員を配置しています。

しかし実際のところ、ユニットリーダー(ユニットケアを実施する施設で働くリーダー)を除いては、制度上、リーダー職の配置は義務付けられていません。介護施設・事業所で働く介護職員の数は多いため、仕事や人材をまとめる存在として、独自にリーダー職を設けているのです。
最近では介護現場におけるリーダー職が、各介護施設・事業所におけるキャリアパスの中に組み込まれるようになってきました。
多くの場合、勤務年数に応じてリーダーとしての役割が定められ、例えば勤務年数が2~4年だと「新人をサポートする日々の業務におけるリーダー」、5~9年だとフロア単位で現場をまとめる「フロアリーダー」、10年以上だと組織全体の中で重要な役割を担う「リーダー」になります。
介護施設・事業所によっては、10年以上の勤務年数があれば施設長の職責を任される場合もあります。法人ごとに階級やそれにかかる年数は多少異なるものの、リーダーとして果たすべき役割が、キャリアパスの中で明確に規定されているケースが増えているのです。

原因は離職率の高さにある
離職率が高く、人が育たないため

しかし冒頭の有識者の意見にあったように、実際のところ多くの介護施設・事業所ではリーダー級の介護職が育ってはいません。
キャリアパスの中に明確に位置付けられていることも多いのに、なぜリーダーが育成されないのでしょうか、その最大の原因が、介護職における離職率の高さです。
介護労働安定センターの「2018年度介護労働実態調査」によると、3年以上連続して勤務する訪問介護員・介護職員の割合はわずか35.8%。それ以外の64.2%の職員は、3年以内に離職しているのです。

前述のキャリアパスでも説明したとおり、リーダー級の職員になるには介護職を長く続け、介護技術に加えてスタッフの育成に関しても多くの専門知識を習得する必要があります。
しかし離職率がこれだけ高いと、そうした技術・知識を習得できる職員は少なくなります。
内閣府の「平成29年版高齢社会白書」によると、介護人材の不足は2010年以降増加の一途をたどっており、2015年時点において約4万人不足していると試算されています。
こうした状況に対して有識者からは「近年介護施設では人材が足りないことを原因とする倒産が相次いでいるが、介護業界における人手不足は、中間管理職が育成されていないことに起因する」との指摘が少なくありません。
せっかく入所した新人職員も頼れるが現場にいなければ早々に離職してしまい、結果として人材不足に陥り、倒産を招くというわけです。



ネットニュース一部抜粋





そうなんですよね…
私の職場でも3年未満で退職してしまう職員や、10年以上従事していても、リーダー級の職員に相応しい職員は非常に少ないです。


私の職場でもリーダー級の職員の育成に力を入れだしたのは、ここ5〜6年前から…
今の介護士長に代わってからです。

それまでは何となく業務が回れば良い… そんな感じの職場でした。
なのでそれ以前から働いていた職員は、そんなぬるま湯に浸かった環境で育った職員ばかりなので、今更キャリアアップを求めていない職員ばかりです。


でもそれじゃあ〜 新しい職員は育たないし、育成システムもしっかりしていないので、あの当時は辞めていく職員は後を絶ちませんでした。
最近やっと退職者も落ち着きましたが、やっぱり辞めていく職員は今でも若干数ありますが。




でも一番困ることは、昔から働く職員が育成の大切さの理解に欠けることです。
(大抵の職員は理解を持って協力してくれる)

やっぱり先輩職員の協力体制が無ければ新人育成も遅れるし、人間関係もスムーズに行われないことも多々ありますからね。




そんな訳で厚労省もいろいろ対策を考えているようですが、介護保険法がスタートした時点での詰めが甘かった影響は、なかなか解消するのは時間がかかるでしょうね。

(−_−;)