全米1位曲をサンプリングしたヒット曲 80’s 編 | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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全米1位曲をサンプリングしたヒット曲 80’s 編

 

サンプリングではないですが80年代のカバーは特にダンスリミックスが多く、KC & The Sunshine Bandの「Please Don’t Go」、Bryan Adamsの「Heaven」、Cyndie Lauperの「Time After Time」、Bonnie Tylerの「Total Eclips Of The Heart」、A-haの「Take On Me」、George Micahel「One More Try」、Roxette「Listen To Your Heart」などがありました。

 

Cold Rock A Party / Mc Lyte & Missy Eliott

ニューヨーク出身のラッパーMc LyteがMissy Elliottをフューチャーして、さらにBad Boy Remixということで1996年に全米11位まで上がったヒットです。独特のフワフワとしたアレンジはPuff Daddyらしいもの。オリジナルはDiana Rossの1980年に全米1位を獲得した「Upside Down」。ChicのNile Rogersプロデュースのダンサブルなナンバーで、同じプロデュースの「I’m Coming Out」もサンプリングされて大ヒットを記録していました。

Upside Dowm / Dianna Ross

 

Kiss Me More / Doja Cat & Sza

ロサンゼルス出身のシンガーソングライターDoja Catはラッパーとシンガーの両刀使いで大活躍していますが、この曲は2021年に全米3位のヒットを記録しています。サンプリングされているのはOlivia Newton Johnの「Physical」で、1981年に全米1位を10週間記録した社会問題も起こしたメガヒット曲でした。オリジナルのサビをアレンジして、軽快なポップソングにしています。

Physical / Olivia Newton John

 

I Think I’m In Love With You / Jessica Simpson

テキサス州Abilene出身のポップシンガーJessica Simpsonの2000年に全米21位を記録したナンバーです。軽快なダンスポップですが、サンプリングされているのは1982年に全米1位を獲得したJohn Mellencampの「Jack & Diane」で、意外な組み合わせで当時話題になりました。

Jack & Diane / John Mellencamp

 

Say No Go / De La Soul

90年代ヒップホップの最初の頃にギャングスタラップとは違ったスタイルで話題となったニューヨーク出身のグループDe La Soulの全米チャートではチャートインしていないものの、全英チャートで18位、全米ダンスチャート3位を記録したナンバー。オリジナルはHall & Oatesの1982年の全米1位「I Can’t Go For That (No Can Do)」。サビの「Say No Go」のループが心地良い。

I Can’t Go For That / Hall & Oates

 

Houdini / Eminem

90年代後半に登場して世界的に大活躍したミシシッピ州St Joseph出身のラッパーEminemの2024年に全米2位、全英1位を記録したナンバーです。サンプリング元は1982年に全米1位を記録したSteve Miller Bandの「Abracadabra」。オリジナルのポップなサビと自身の大ヒット曲「Without Me」をマッシュアップしたような曲です。

Abracadabra / Steve Miller Band

 

Street Dreams / Nas

ニューヨーク州Brooklyn出身のラッパーNasの1996年に初のTop40ヒットとなる全米22位を記録した曲です。オリジナルはEurythmicsの1983年の「Sweet Draems (Are Made Of This)」で、オリジナルのサビフレーズをまんま使ったポップなナンバーで、Trackmasterのクールなアレンジが光ります。

Sweet Dreams (Are Made Of This) / Eurythmics

 

Ghetto Superstar(That Is What You Are) / Pras f.Ol Dirty Basterd & Mya

Fugeesのメンバーでニューヨーク州Brooklyn出身のラッパーPrasの1998年に全米15位を記録した曲です。Myaの歌うパートで使われているのは1983年に全米1位を獲得したDolly PartonとKenny Rogersの「Island In The Stream」。作曲したのはBee Geesだったため、クレジットにはBee Geesのメンバーが入っています。チャート順位こそ低いものですが、2011年にはSpeak NowツアーでTaylor Swiftがカバーしたことでも知られています。

Island In The Stream / Dolly Parton & Kenny Rogers

 

Pray / MC Hammer

現在のヒップホップがポップチャートに入るようになったきっかけとなったのはカリフォルニア州Oakland出身のラッパーMC Hammerの大ヒットですが、そんなMC Hammerの最大のヒットが1990年に全米2位を記録した「Pray」でした。当時からかなり物議を醸した曲で、オリジナルは1984年のPrinceの全米1位曲「When Doves Cry」。当時はこうしたポップナンバーの大ネタをサンプリングすることはありませんでした。

When Does Cry / Prince & Revolutions

 

Looking Through Patient Eyes / PM Dawn

ニュージャージー州Jersey Cityで結成されたヒップホップグループPM Dawnは90年代初めにヒットを連発しますが、この曲は1993年に全米6位を記録しています。サンプリング元はGeorge Michaelの1988年に全米1位を記録した「Father Figure」。サビのフレーズを歌っているのはシークレットになっていますが90年代に活躍したCathy Dennis。

Father Figure / George Michael

 

I’ll Missing You / Puff Daddy f.Faith Evans & 112

80年代全米1位曲をサンプリングした大ネタ使いのヒット曲では外せません。何しろオリジナルをまんま使いでオリジナルを超えたヒットになってしまった曲です。ニューヨーク出身のラッパーPuff Daddyが盟友Notorious BIGが亡くなったことを受けて作られた追悼曲で、1997年に全米1位を11週間記録しました。オリジナルも80年代を代表する大ヒットのPoliceの「Every Breath You Take」(全米1位を8週間)。

Every Breath You Take / Police

 

今回は外れましたが、それ以外にも3rd Baseの「Pop Goes The Weasel」(1991年全米29位)はPeger Gabrielの「Sledgehammer」使い。Kyperの「Tic Tac Toe」(1990年全米14位)はYesの「Lonely Hearts」使い。Eminemの「Like Toy Soldiers」(2005年全米34位)はMartikaの「Toy Soldiers」使い。Warren Gの「What’s Love Got To Do With It」(1996年全米32位)はTina Turnerの「What’s Love Got To Do With It」使いがありました。