Ver.5 Music Box
全米1位曲をサンプリングしたヒット曲 70’s 編
ニュージャージー州East Orangeで結成されたラップグループNaughty By Natureの1991年に全米6位を記録したナンバー。Jackson 5の1970年の全米1位曲「ABC」をサンプリングしていますが、シンプルなピアノのメロディをループさせながら、ポップでダンサブルな世界を作っています。
ニューヨークのラッパーJay-Zが2001年に全米8位を記録したナンバー。Jackson 5の1970年の全米1位曲「I Want You Back」をサンプリングしています。曲を再構築するサンプリングは作曲プロデュースに関わったKanye Westによるもので、この曲を手がけたことで名前を上げて、現在の活躍に繋がっています。
Let’s Talk About Sex / Salt N Pepa
ニューヨークで結成されたヒップホップトリオSalt N Pepaの1991年に全米13位を記録したナンバー。1972年の全米1位曲Staple Singersの「I’ll Take You There」をサンプリングしています。ポップなサンプリングよりも、セーフセックスを歌った歌詞が注目を集めて、全米以上にヨーロッパやアフリカで大ヒットを記録しました。
I’ll Take You There / Staple Singers
Janet Jacksonのアルバム『Rhythm Nation 1814』からのシングルで、89年に全米2位のヒットを記録していますが、オリジナルはSly & The Family Stoneの70年に全米1位を記録した「Thank You」。Jam & Lewisによるゴリゴリのファンクで、PVのキレのあるダンスも人気でした。
Thank You / Sly & The Family Stone
Killing Me Softly With his Song / Fugees
サンプリングというかカバーで、Lauryn HillにPras MichelとWyclef Jeanの3人がニュージャージー州South Orangeで結成したFugeesの大ヒットアルバム『The Score』から1996年シングル発売がなかったため全米チャートには登場しませんが、全英チャートを始めのきなみ1位を記録した大ヒット曲。全米でもエアプレイでは1位を記録。オリジナルは1973年Roberta Flackの全米1位曲でヒップホップなアレンジで名曲をまた違った切り口で再現しています。
Killing Me Softly With His Song / Roberta Flack
カリフォルニア州Long Beach出身で、90年代のG Funkサウンドの立役者でもあるラッパーWarren Gの1997年に全米20位を記録したナンバー。オリジナルはBob Marley & The Wailersの1973年のナンバーですが、これをカバーして1974年に全米1位を獲得したのがEric Clapton。Eric Claptonの唯一の全米1位がこの曲というのも不思議なものですが、絶望な哀愁ただよう歌詞が印象的です。
I Shot The Sheriff / Eric Clapton
ジョージア州College Park出身のシンガーMonicaの98年に全米1位を記録した曲です。オリジナルはDiana Rossが76年に全米1位を記録した「Love Hangover」。オリジナルとは全く違った切り口でソウルナンバーにしたのはヒットメイカーのJermain Dupri。
90年代のヒップホップを牽引したニューヨーク出身のラッパーNotorious BIGの97年に全米1位を獲得した曲。サンプリングされているのは1979年に全米1位を獲得したHerb Alpertの「Rise」。当時勢いのあったPuff Daddyが作曲プロデュースに関わっています。
Rapper’s Delight / The Sugarhill Gang
ニュージャージー州Englewood出身のラッパーThe Sugarhill Gangの1979年に全米36位を記録した曲。ヒップホップの歴史の中でポップ曲をサンプリングした最初の例で、これ以降のヒップホップの歴史を作っていきました。オリジナルはChicの79年の全米1位曲「Good Times」で、Nile Rogersのカッティングギターのリズムが心地良いナンバーです。
最後に紹介するのはジョージア州アトランタ出身のシンガーソングライターPaul Russellの2023年に全米14位まで上がったスマッシュヒット。オリジナルは79年にEmotionsが全米1位を記録した「Best Of My Love」。Mariah Careyの「Emotions」も裏カバーといった感じで、このメロウなサウンドはEternalの「Power Of A Woman」などいろいろカバーされています。