Ver.5サイトが選ぶポップミュージック名曲選 80,90年代編 6
よくあるロックの名曲ではなくて、ポップミュージックの名曲を当サイトが厳選して紹介しています。選曲は全米Top5に入った曲はそれだけで名曲で、膨大なリストとなるため外しています。
70年代までの100曲編と80年代、90年代編は名曲としての意味合いが変わってきます。80年代頃からは幅広い音楽に触れる機会が増えたことで、様々な音楽を取り入れたり過去の音楽を再構築することが増えていきます。またシンセサイザーの普及で簡単に電子機器で音楽を作ることができるようになります。90年代頃には音楽の一部をサンプリングするラップミュージックが流行しました。
ということで今からだいぶ過去の音楽ですが、それでも色あせないポップミュージックの美しいメロディの世界をぜひお楽しみください。
80年代から90年代末までで100曲の5回目です。
Pride(In The Name Of Love) / U2 84
アイルランドはダブリンで結成されたロックバンドU2が始めて全米Top40入りとなる全米33位、全英2位記録した曲です。U2は1980年に『Boy』でデビューして、現在までトップランナーとして活躍し続けることになりますが、そんなU2の特徴の一つがジャカジャカという感じのThe Edgeのギターで、この曲がそのままU2のイメージとなっています。曲はアメリカの公民権運動の指導者Martin Luther King Jrを歌ったもので、歌詞と相まって高揚感があります。バックボーカルにはPretendersのCrissie Hyndeが入っています。
Separate Ways(Worlds Apart) / Journey 83
カリフォルニア州サンフランシスコで結成されたロックバンドJourneyは全米1位こそないものの80年代にはヒットを連発していて、1981年の『Escape』は全米だけで1000万枚の売り上げを残しています。「Separate Ways」は次のアルバム『Frontiers』からカットされて全米9位、全英102位を記録しています。日本では人気の高い曲で、切ないメロディと躍動感のあるリズムでスポーツ中継のテーマにも使われています。
The Final Countdown / Europe 86
スウェーデンはUpplands Vasbyで結成されたハードロックバンドEuropeの代表曲で、1986年に全米8位、全英1位を記録しています。David Bowieの「Space Oddity」からインスプレーションを得たといわれる歌詞と、壮大なメロディが魅力の大曲ですが、なんと言ってもイントロのファンファーレが素晴らしく、イントロで一気に持って行かれます。
Veronica / Elvis Costello 88
ロンドン出身のシンガーソングライターElvis Costelloはパンクミュージックとして70年代後半から活躍しますが、BeatlesのPaul MacCartneyとのコラボで、互いのアルバムで共演したことから1989年に「Veronica」が全米で最大のヒットとなる19位、全英31位を記録しています。重度の記憶喪失を経験した女性をテーマにしていますが、アルツハイマー病を煩っていた祖母と重なり、祖母の名前が曲名になっています。PVは年老いた女性とCostelloとの会話から彼女の人生が語られる感動的なものになっています。
Heart To Heart / Kenny Loggins 83
ワシントン州Everett出身のシンガーソングライターKenny Logginsは70年代にはLoggins & Messinaとして、その後ソロとしてAORアーチストとして、また80年代には『Footloose』『Top Gun』『Caddyshack Ⅱ』『Over The Top』などサントラヒットで活躍をしています。「Heart To Heart」はそんなAORアーチスト期の傑作曲で、1983年に全米15位を記録しています。お洒落でありながら、中盤への展開とサビの急展開は独特のもので、若き日の少年の心象を描いたPVとともに強く印象に残ります。
Sweet Love / Anita Baker 86
オハイオ州Toledo出身のソウルシンガーAnita Bakerのブレイクとなった曲で、全米8位、全英13位を記録しています。美しいメロディはさることながら、うねるような低音の伸びが特徴的なボーカルは独特です。Anita Bakerはこの曲でGrammy賞の最優秀R&Bを受賞しますが、この後Grammy賞を連続で受賞するなど活躍をしています。
Piano In The Dark / Brenda Russell 88
ニューヨーク出身のシンガーソングライターBrenda Russellの1988年に全米6位、全英23位を記録した曲です。A&MレコードのHerb Alpertがシングルカットを勧めたと言われ、実際に最大のヒット曲となっています。タイトルから伝わる切ない感じがそのままメロディにつながり、サビの高揚感からの終わりかたが素晴らしく、80年代に数あるバラードの中でも屈指の名曲です。
Keep On Movin / Soul Ⅱ Soul 89
ロンドンで結成されたJazzie Bを中心とするユニットSoul Ⅱ Soulは80年代後半から90年代にかけてネオソウル、アシッドジャズの代表として活躍をします。そのきっかけとなったのは全米11位、全英5位を記録したこの曲で、Sinead O'Connor、Bjork、Gwen Stefani、Madonnaを手がけたNellee Hooperがプロデュースしています。ボーカルCaron Wheelerの歌声とクールなバックトラックの対比が素晴らしく、シンプルなピアノの調べがJazzっぽさもあってお洒落な曲となっています。
Overjoyd / Stevie Wonder 85
ミシガン州Saginaw出身のStevie Wonderは60年代、70年代とそれぞれ活躍していましたが、80年代にはまた違った80年代のStevie Wonderとしてヒットを連発しています。1985年に発売された『In Square Circle』から「Part Time Lover」が全米1位に輝いていますが、3曲目にカットされた「Overjoyd」は全米24位、全英17位を記録しています。チャート順位的にはStevie Wonderの過去の大曲と比べると地味ですが、曲のバックに鳥の声や虫の声、自然の音を盛り込んで、独特の世界観が素晴らしい曲となっています。印象としては喧噪のあとの静寂のような感じで、終盤に盛り上がって終わるあたりは80年代のStevieを代表する名曲と思います。
Volare / Gipsy Kings 89
80年代最後にはフランスはArlesで結成されたフラメンコ、サルサのバンドGipsy Kingsの全英86位、全米のラテンチャートで初の1位を記録した曲です。オリジナルはイタリアのDomenico Modugnoが1958年にリリースした曲で、全米1位、全英10位の大ヒットを記録しています。これをラテンナンバーとしたのがGipsy Kingsバージョンですが、まるでGipsy Kingsの代表曲となるぐらいに素晴らしいカバーとなっています。日本ではCMで使われていることもあり、親しまれています。