2021年 管理人が選ぶBest Single | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

過去と現在の洋楽シーンをチャートデータをもとに紹介するページ(週一更新予定)

■ 2021年 管理人が選ぶBest Single



2021年のChart Mania 管理人が選ぶSingleとAlbumを発表します。10位全てがTop40ヒットで埋まりました。



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1: Good 4 U / Olivia Rodrigo
2: Butter / BTS
3: Levitating / Dua Lipa f. DaBaby
4: Peaches / Justin Bieber f. Daniel Caesar & Giveon
5: Stay / The Kid Laroi & Justin Bieber
6: Kiss Me More / Doja Cat f. Sza
7: Essence / Wizkid f. Tems
8: Easy On Me / Adele
9: Beggin / Maneskin
10: Love Nwantiti / Ckay



1: Good 4 U / Olivia Rodrigo


Disney +で放送する「Highschool Musical」に出演していた女優Olivia Rodrigoは今年最もブレイクしたアーチストでした。全米1位を8週間も記録した「Drivers License」も衝撃でしたが、それ以上にこの曲の登場はOliviaをBillie Eilishのライバルにまで持っていきます。音楽のトレンドもヒップホップがロック寄りのサンプリングをするなどじわじわロックな感じがありましたが、この曲は全米チャートは1週間1位ですが、Streamingsが8週間1位、Radio Airplayが3週間1位とHip HopやR&Bの強いところで人気になったところは凄いと思います。



2: Butter / BTS


韓国のポップグループBTSが放った今年最大のヒット曲。Queenの「Another One Bite The Dust」のようなダッダッというイントロのリズムから一気に持って行かれます。そこからのサビまでの展開は完璧で、セールスで持って行ったとはいえ10週1位はポップグループとしては記録的なビッグヒットでした。それも納得できるほど今年を代表する名曲でした。



3: Levitating / Dua Lipa f. DaBaby


ロンドン出身の女性シンガーDua Lipaの今年の全米年間1位曲です。何度もPVをつくり、リミックスを出し続けたこともあって今年1年ずっとチャート上位に入るベストセラーを記録しました。浮遊感ただようディスコティックなトラックは確かに不思議と飽きない魅力があります。DaBabyとはライブでの発言から不仲となりましたが、個人的にはDaBabyをフューチャーしたミックスが持ち味も出していて好きでした。



4: Peaches / Justin Bieber f.Daniel Caesar & Giveon


Justin Bieberの全米1位曲ですが、Youtuberから2009年にデビューをして、そのルックスと歌声でアイドルのような人気があってから12年。ここまで全く人気は衰えず、しかも新しい音楽にチャレンジしていることは素晴らしいです。曲は浮遊感ただようソウルなメロディと変幻自在なJustinのボーカルがマッチした全米1位にふさわしい曲でした。



5: Stay / The Kid Laroi & Justin Bieber


オーストラリアはWater Loo出身のシンガーソングライターThe Kid Laroiも今年ブレイクした一人でした。The Weekndの「Blinding Lights」のようなシンセサイザーポップスながら、スピード感が凄く、公式に曲の長さは驚異の2分21秒。全米1位曲でこの長さで短いと感じさせないのほど緻密な構成。The Kid LaroiとJusitin Bieberとの掛け合いもそれぞれのスタイルを持ちながら進む完成度の高いナンバーでした。



6: Kiss Me More / Doja Cat f. Sza


昨年「Say So」で全米1位を獲得したDoja Catはラップと歌の両方ができるDrakeのようなアーチスト。2ndアルバム『Planet Her』が今年発売されて、アルバム曲が次々とラジオにかかって一気にトップスターに登りつめました。Olivia Newton Johnの「Physical」を使ったキラキラとしたポップスは美しいポップミュージックでした。



7: Essence / Wizkid f. Tems


ナイジェリア出身のシンガーソングライターWizkidとナイジェリア出身のソウルシンガーTemsによるソウルトラック。Justin BieberをフューチャーしたRemixで一気にTop10ヒットとなりましたが、各メディアで高い評価を受けたようにソウルナンバーとしては今年一番の曲でした。この90年代のUKのアシッドソウルの香りがしますが、Drakeが「Best I Ever Had」でブレイクしたように、この曲でWizkidが今後活躍してくるのではと予想しています。



8: Easy On Me / Adele


Adeleは『21』が全米1位を3曲生むほどに大ヒットして、さらに『25』が驚異の全米アルバム初動枚数を記録して衝撃を与えた。普通であればどう考えてもアーチストの頂点で、ここからはどう考えても落ちる、またメディアに叩かれるということになりがちですが、この曲を聴いた瞬間「超えた」と感じました。期待されてそれを超えていく、全米1位を7週記録するというのは普通に凄いです。曲はAdeleらしい強いボーカルを生かしたパワーバラードですが、その声の力に改めて感動させられました。



9: Beggin / Maneskin


イタリアはローマで結成されたロックバンドManeskinのブレイクヒット。Eurovision Contest 2021で優勝したことで世界に名前が知れ渡り、ヨーロッパでまず人気となり、今年後半には全米にも上陸しました。この曲は2017年の曲で、TV番組イタリアの「X-Factor」で人気となった曲です。オリジナルがThe Four Seasonsとは思えないほどに突き抜けたカバーで、ボーカルのDamiano Davidのまくしたてるボーカルが素晴らしいです。バンドの4人がそれぞれカッコよく、パフォーマンスすればするほど人気が出てきそうです。



10: Love Nwantiti(Ah Ah Ah) / Ckay


Wizkidがヒット飛ばした後に登場したのが同じくナイジェリア出身のシンガーCkayでした。全米チャートでは31位で止まっていますが、全英チャートではTop10ヒットを記録。曲はKali UchisあたりがやっていたトロピカルR&Bナンバーで、この手のR&Bなナンバーがチャートでヒットしたのは驚きでした。来年以降ナイジェリアが音楽のトレンドの中心になってくると面白いなと思います。



最後まで10位で迷っていたのはLil Nas Xの「Industry Baby」とBillie Eilishの「Happier Than Ever」でした。



Non Top 40の中でも10曲選びました。



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1: Introvert / Little Simz
2: John L / Black Midi
3: Black Hole / Griff
4: Famous / Parcels
5: Slow / Black Midi
6: Solar Power / Lorde
7: Hope / Arlo Parks
8: Bambi / Clairo
9: Typhoons / Royal Blood
10: Somewhat Loved / Jam & Lewis f. Mariah Carey



1: Introvert / Little Simz


ロンドン出身のシンガーソングライターLittle Simzの4枚目のアルバム『Sometimes I Might Be Introvert」の1曲目。壮大なオーケストラサウンドをバックにラップが乗るというスケール感が凄いですが、これはサンプリングではなく、映画のサントラのような曲を作ってそこにラップが乗るというのが個人的には新鮮でした。この曲がアルバムのシングルですが、決してこの曲がアルバムで突出するものでなく、映画のようなアルバムの冒頭といったところが凄いです。



2: John L / Black Midi


今年注目を集めた南ロンドンのロック・パンクムーブメント。Croydonで結成されたBlack MidiはBlack Country New Roadの歌詞にも登場するようなサウスロンドンでも最初に登場してきたバンドです。そのBlack Midiの2ndアルバム『Cavalcade』のオープニングトラックですが、ハイテンションなサウンドで一気に持って行かれます。サウスロンドンらしいノイズ入り混じる混沌としたロックは70年代のプログレのような趣で、改めて「ロック」ってこうだよなと。シングルはこんな感じですが、アルバムではこの前にシンセサイザーのイントロ音が入っていて、このイントロ、静寂、この曲のコンボはこれだけでアルバム買う価値あります。



3: Black Hole / Griff


イギリスはHertfordshire出身のシンガーソングライターGriffの全英チャート18位まで上がった曲。Mixtape『One Foot In Front Of The Other』は7曲しかないEPでしたが、全英4位に入り注目を集めました。曲は懐かしさも感じるメロディアスなトラックで、正直1位を獲得しても良いのではと思うほどの名曲。しかしGriffが素晴らしいソングライターということで、今後大ブレイクも期待できると思いました。



4: Famous / Parcels


オーストラリアはByron Bayで結成されて、今はドイツはベルリンで活動しているファンクバンドParcelsの2ndアルバム『Day/Night』からのトラック。70年代後半のBee Geesのようなディスコトラックで、キャッチーなメロディはPVじゃないですが、思わず体が動いてしまうほどの魔力があります。ただアルバムバージョンもPVバージョンも終わり方がちょっと残念な感じも。



5: Slow / Black Midi


2位で紹介したBlack Midiですが、この曲も強烈に好きでした。「Slow」というタイトルながら、穏やかさと激しさが交互にやっていくるプログレチックな曲が良いです。PVが崩壊や喪失あたりをテーマにしたようなもので、思わず最後まで何度も見てしまいます(グロ多少あり)。



6: Solar Power / Lorde


ニュージーランドはAuckland出身のシンガーソングライターLordeの今年発売されたシングル。コロナ禍で沈み込む世界の中で放たれた太陽の光のようなこの曲は元気をもらいました。アコースティックギターのリズムに導かれて光の暖かさを感じさせるような曲は懐かしさもあり、久しぶりに楽しいポップスという感じでした。



7: Hope / Arlo Parks


ロンドン出身のシンガーソングライターArlo Parksは今年デビューをして、アルバムが全英3位に入って一躍注目のアーチストとなりました。アルバムはどの曲も新鮮なメロディがあり魅力的ですが、この曲は孤独や痛みを感じている人間に対するメッセージソングです。Brit Award 2021ではコロナ禍の状況を踏まえたオリジナルの歌詞で感動を呼びました。



8: Bambi / Clairo


アトランタ出身のシンガーソングライターClairoのアルバム『Sling』の1曲目。オープリングのピアノとハーモニーの美しさにハッとなり、その後にBeatlesのような懐かしいロックが展開する。美しいボーカルと優しいメロディはいろいろあった今年の中でも清涼剤でした。



9: Typhoons / Royal Blood


イングランドはWorthingで結成されたロックデュオRoyal Bloodの3枚目のアルバム『Typhoons』からのシングル。このアルバムはこれまでになくポップで、どことなくMichael Jacksonを感じさせます。ポップ過ぎて評価は低いですが、ベースでこの低音のビートはRoyal Bloodしかない音の一つ。今年リリースされた曲の中で最高にカッコイイ曲の一つです。



10: Somewhat Loved / Jam & Lewis f. Mariah Carey


80年代から90年代、00年代とヒットチャートの中心であったJam & LewisがMariah Careyと組んだ曲。この曲が素晴らしいのはそんな黄金タッグがチャ―トの上位を占めていた雰囲気をこの曲でも伝えてくれていることでしょうか。Mariah Careyの7オクターブの音域は久しぶりに聞いて感動的でした。