■ 2020年 管理人が選ぶBest Album
1: Punisher / Phoebe Bridgers
2: 3.15.20 / Childish Gambino
3: What's Your Pleasure? / Jessie Ware
4: Positions / Ariana Grande
5: Woman In Music Pt.Ⅲ / Haim
6: Sawayama / Rina Sawayama
7: Fetch The Bolt Cutters / Fiona Apple
8: Folklore / Taylor Swift
9: Fake It Flowers / Beabadoobee
10: Mordechai / Khruangbin
Fontaines D.C.、The Weeknd、AC/DC、Roddy Ricch、Freddie Gibbs & Alchemistなどがリストから外れました。それでは惜しくも10枚に入れなかった11位から15位までざっと紹介します。
15: アダンの風 / 青葉市子
AOTYというメディア評価をまとめるサイトでUserスコアが今年リリースの中で5番目の高い評価で、Ratingした人も676人というのは凄いとしか言いようがありません。ギターの弾き語り的な青葉さんですが、アルバムはサントラを意識したと言われるトータルアルバムで、「Porcelain」のような曲が最後まで展開していてこれは名盤だと思います。
14: This Is What It Is / Thundercat
チャートを賑わせるようなビッグヒットがないものの、70年代全盛期のStevie Wonderのようなクオリティを見せてくれるThudercatの新作。酔うようなメロディラインにThundercatの名前を有名にしたベースギターのサウンド。安定した良いアルバムです。
13: The Slow Rush / Tame Impala
時を意識したトータルアルバムで、1曲1曲も複雑な構成になっていて、Tame Impalaの勢いも感じさせるアルバムでした。前作のようなキャッチーな曲が少なかったこと、ちょっと難解だったことがメディアの年末の評価を下げたような感がありますが、アルバムとしては素晴らしいものでした。
12: Chromatica / Lady Gaga
久しぶりの快作という感じで、デビュー時のようなダンストラックに戻りながらもChoromaticaというインストゥルメンタル曲を挟むなど愛をコンセプトとしたトータル作品でした。ただシングルヒットした曲以外にグッとつかまれる曲が少なかったところがありました。
11: Future Nostalgia / Dua Lipa
今年のディスコな雰囲気を作ったのは恐らくDua Lipaのこのアルバムが大きかったように思います。「Don't Start Now」をはじめ、ヒットポテンシャルの高い曲を揃えていたアルバムでしたが、アルバム全体で、起伏というか展開が少なかったのは残念な部分でした。個人的にはJessie Wareとの比較になった時に完成度の高さが違いました。
ということで10位から
10: Mordechai / Khruangbin
フェスとかに行っている人からすれば、何を今さらという感じでもあるし、前作のインストゥルメンタルが名作だったこともあって、今作の評価はメディアでも飛びぬけて高い評価というわけではないですが、今回歌詞が付いて、全英アルバムチャートTop10に入って、次の展開に入ったという意味で大きかったように思います。PVには出てきませんが女性ベースギターリストのLaura Leeのカッコ良さは最高ですね。東洋を含むワールドワイドメロディと70年代前半のSantanaのような熱さが魅力的です。
Pelota / Khruangbin
So We Won't Forget / Khruangbin
9: Fake It Flowers / Beabadoobee
フィリピン出身の女性シンガーソングライターBeabadoobeeのデビューアルバム。気に入った曲があってもアルバムだとガッカリすることが多い中で、「Care」をはじめとして「Worth It」「Sorry」と楽曲がそろっていて、1曲目から引き込まれます。90年代のオルタナ音楽が好きな人なら間違いないというぐらいに充実したデビューアルバムでした。
Worth It / Beabadoobee
Sorry / Beabadoobee
8: Folklore / Taylor Swift
コロナウイルスが蔓延する中でリモートにより作られたTaylor Swiftの8枚目のアルバムはNationalsのAaron DessnerやJack Antonoffと組んで作られたフォークロックなアルバム。派手さはないものの、Taylor Swiftのソングライティングの素晴らしさは健在で、次の段階にTaylor Swiftが進んだ印象を与えました。メディアでは今年一番という感じの評価ですが、シングルでガツンとくるような曲は少なかったのが残念なところです。
The Last Great American Dynasty / Taylor Swift
Exile / Taylor Swift f. Bon Iver
7: Fetch The Bolt Cutters / Fiona Apple
Taylor Swiftと同じく今年のメディアで人気だったのはFiona Appleでした。『Tidal』の頃からスタイルそのものは変わってないものの、デビュー時とは比較にならないほどの自信があふれています。ピアノを中心としたバックの音数は少なく、Fiona Appleのボーカルがこれでもかというぐらいに前に出ていて、そのボーカルがとにかく狂気がかっています。Janis Joplinを思い出すぐらいに声に命がこもっているような印象でした。
I Want To Love Me / Fiona Apple
Ladies / Fiona Apple
6: Sawayama / Rina Sawayama
新潟出身のRina Sawayamaのデビューアルバムですが、デビューアルバムとは思えないほどのスケールと自信があって、オープニングの「Dynasty」からラストとの「Snakeskin」まで一気に聞かせます。スタイルとしてはKaty Perryあたりを意識しているようなイメージですが、曲はどちらかと言えば「STFU!」のようなヘビーなロックが多く、バラエティに富みながらもどの曲もクオリティが高く、それでいてアルバム全体の流れも素晴らしいです。パワーバラードの「Bad Friend」、大スターのライブ会場の「Who's Gonna Save U Now?」など聴きどころ満載で、今年メディアの評価が高いのもうなずけます。
STFU / Rina Sawayama
Who's Gonan Save U Now ? / Rina Sawayama
5: Woman In Music Pt.Ⅲ / Haim
女性3人姉妹のHaimはBBCが選ぶSound Of でもトップに選ばれてずっと注目されていましたが、ここにきてブレイクの兆しが出てきました。Jazzyな「Los Angeles」で始まるこのアルバムはロックを中心にバラエティ豊かな音楽でありながら、全体としての統一感、そしてラストに至るまでの流れの良さがあります。ギターロックの楽しさが伝わってくる作品です。
I Know Alone / Haim
Don't Wanna / Haim
4: Positions / Ariana Grande
『Thank U Next』でポップスターの頂点に立って、すっかりスタイルが固まったAriana Grandeですが、『Music Box』を出してきたMariah Careyのように楽曲が充実しています。1曲目のオーケストラサウンドの「Shut Up」から「34+35」の流れが素晴らしく、Doja Catとの「Motive」、The Weekndとの「Off The Table」、Ty Dolla Signとの「Safty Net」といった話題性のあるコラボもあり、Jazzyな「Nasty」、ディスコサウンドの「Love Language」、そしてラストのゴスペルチックな「Pov」まで聴かせます。完成度だけではArianaの中でも1・2番ではないかと思っています。
Shut Up / Ariana Grande
Pov / Ariana Grande
3: What's Your Pleasure? / Jessie Ware
ロンドン出身シンガーソングライターJessie Wareのアルバムですが、全体として70年代から80年代にかけてのダンスチューンが展開するわけですが、まるでダンスミュージックの歴史を振り返るような、どの曲も違ったパターンでありながら各曲のクオリティの高さが素晴らしいです。この手のダンスポップアルバムはどこか続くと飽きてしまいがちになりますが、それが全くないというのは驚きで、しかもトータルで最後までドラマチックに聞かせるというのはなかなかポップアルバムではありません。そしてラストの「Remenber Where You Are」の清々しさ。ある時期まではこのアルバムが今年の一番でした。
Step Into My Life / Jessie Ware
Remember Where You Are / Jessie Ware
2: 3.15.20 / Childish Gambino
アルバムタイトルはリリース日で、曲のタイトルはアルバムにおける分数という超塩対応なアルバムではありますが、正直Princeの全盛期のようなクオリティの高いポップアルバムだと思います。曲一つ一つが意味があって、最後までスリリングに展開しながら全体としてChildish Gambinoの狂気も垣間見える。何度も何度もリピートしながら聞きましたが、どの曲もポップで、バラエティ豊かで、繋がりも良いという完璧なアルバムです。個人的には4曲目の「12.38」、前に「Feels Like Summer」と呼ばれていた10曲目の「42.26」、12曲目ラストにふさわしい壮大なフィナーレ「53.49」が特に気に入っています。
12.38 / Childish Gambino
42.26 / Childish Gambino
53.49 / Childish Gambino
1: Punisher / Phoebe Bridgers
カリフォルニア出身のシンガーソングライターPhoebe Bridgersの2枚目のアルバムです。独特の世界を持った歌詞とメロディですが、曲一つ一つの完成度は高く、「Kyoto」「ICU」といった開放的なメロディと「I Know The End」のような内省的なナンバーそれぞれがバランスよくアルバムとして完成されています。それでいながら全体に垣間見える狂気がかった部分が魅力あります。ヒットこそしていませんがBillie Eilishとともにこれから知名度、人気も上がっていくのではと思います。
Kyoto / Phoebe Bridgers
ICU / Phoebe Bridgers
ということで2020年の管理人が選ぶSingleとAlbumでした。
これで今年の更新はラストとなります。皆様2020年はありがとうございました。
良いお年を。









