Ver.5サイトが選ぶAOR 名盤10枚 | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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Ver.5サイトが選ぶAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)10枚


管理人が所蔵するCDの中から以前に100枚選んだものを除いてジャンル別に名盤を紹介します。まずはAORの名盤から。AORは昔はそうでも無かったのですが、最近はBGMとして聞く機会が増えていっています。AORとはっきりと音が区別つかないものも多いですが、取りあえず10枚選んでみました。


■ Italian Graffiti / Nick Decaro (74)

イタリアン・グラフィティ/ニック・デカロ
¥1,851
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オハイオ出身で、A&Mレコードでアレンジャーやプロデューサーを手掛けたり、イージーリスニングサウンドのアルバムを出していたNick Decaroの74年に発表したアルバムです。代表曲である「Under The Jamaica Moon」他、Stevie Wonderのカバー「Happier Than The Morning Sun」やスタンダードナンバーの「Tea For Two」などが収録されています。Nick Decaroの優しくも溶け込むようなボーカルとバックの洗練された音が見事なハーモニーを醸し出しています。元祖AOR的な位置付になるAORの名盤です。

Under The Jamaica Moon / Nick Decaro
Tea For Two / Nick Decaro


■ Silk Degrees / Boz Scaggs (76)

Silk Degrees/Boz Scaggs
¥1,006
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テキサス出身のシンガーソングライターで、元々はR&Bシンガーですが、76年に発表されたこの『Silk Degrees』が全米2位に入る大ヒットを記録してからはAORサウンドを代表するアーチストとして知られるようになりました。シングル「Lowdown」が全米3位、「Lido Shuffle」が全米11位のヒットを記録。日本でヒットした「We're All Alone」はAORの中でも屈指の名曲で、Boz Scaggsの切ない歌声が情景を感じさせて心に響きます。アルバム製作に関わったDavid Paich、Jeff Pocaro、David Hungateは後にToToを結成しました。

Lowdown / Boz Scaggs
We're All Alone / Boz Scaggs


■ Sleeping Gypsy / Michael Franks (77)

Sleeping Gypsy/Michael Franks
¥2,677
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カリフォルニア出身のシンガーソングライターMichael Franksの77年に発表されたアルバムです。都会的で洗練された音楽に独特の囁くようなボーカルが見事なコラボを見せるAORの名盤です。CrusadersのJoe SampleやWilton FelderやLarry CarltonにFusionサウンドのDavid Sanborn、Michael Breckerといった名プレイヤーをバックにゴージャスな音が全体で広がっています。代表曲の「Antonio's Song」はFMラジオでは一度は耳にした人が多いAORの名曲です。

Antonio's Song / Michael Franks
The Lady Wants To Know / Michael Franks


■ ToTo / ToTo (78)

Toto/Toto
¥2,426
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Steely DanやBoz Scaggsのアルバムに参加していたJeff PocaroやDavid Paichが結成したロックバンドです。この『Toto』(邦題:宇宙の騎士)はデビューアルバムで、「Hold The Line」が全米5位のシングルヒットを記録しています。日本のCMでも流れていた「Child's Anthem」やAORの名曲の一つ「Georgy Porgy」(全米48位)などが収録されています。アルバム全体でメロディアスな曲が多く、プログレッシブロックの香り漂う「Child's Anthem」で始まり、バラード「Angela」でしっとりと閉めるなどトータルアルバムな作りもしています。ToToはこの後の4枚目のアルバム『Ⅳ』で全米1位とGrammy賞のAlbum Of The Yearを受賞するなど活躍を見せます。

Hold The Line / Toto
Georgy Porgy / Toto


■ Minites By Minutes / Doobie Brothers (78)

Minute By Minute/Doobie Brothers
¥725
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70年に結成されたアメリカ西海岸のロックバンドで、初期は「Long Train Runnin」などのヒットでチャートを席巻するギターロックバンドでしたが、70年代中盤にソフトロックな路線に変わり、この『Minutes By Mintutes』でAORな音の魅力で再び全米の頂点に立ちました。Michael McDonaldの書く美しいメロディにハーモニーが魅力で、Grammy賞も受賞した「What A Fool Believes」が全米1位、タイトルトラックの「Minutes By Minutes」が14位のヒットを記録しました。
What A Fool Believes / Doobie Brothers
Minutes By Minutes / Doobie Brothers


■ Brother To Brother / Gino Vannelli (78)

Brother to Brother/Gino Vannelli
¥789
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カナダのシンガーソングライターで、70年から活躍していましたが、一躍世界的な注目を集めたのはこの『Brother To Brother』に収録されている「I Just Wanna Stop」が全米4位に入る大ヒットを記録したからでした。あまりにも美しすぎるメロディのこの曲はAORの名曲ですが、個人的にはこのアルバムを紹介したラジオを聞いた時に他のどの曲も素晴らしいメロディと構成だったのに一目ぼれしました。トップの「Appaloosa」の高揚感漂うサウンドに、ファンキーな「The River Must Flow」、切ないサウンドの「Love & Emotion」もシングルヒットしなかったのが不思議なほど良い曲です。

I Just Wanna Stop / Gino Vannelli
The River Must Flow / Gino Vannelli


■ Bobby Caldwell / Bobby Caldwell (78)

イヴニング・スキャンダル/ボビー・コールドウェル
¥2,052
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NYのシンガーソングライターで、AORの代表的なアーチストの一人です。デビューアルバム『Bobby Caldwell』(邦題:イブニング・スキャンダル)からは全米チャートで「What Do You Won't Do For Love」が9位のヒットを記録していますが、他にも「Special To Me」や「Come To Me」が日本でヒットしています。スムーズでエレガントな音の中に軽やかなBobby の声が気持ちいいアルバムです。曲そのものクオリティが高くて、その後の日本での人気が高いのも頷けます。90年代のヒップホップ好きなら2Pacの「Do For Love」(98年21位)、Notorious BIGの「Sky's The Limit」(97年26位)という両海岸のスターにサンプリングされていることからも影響力の高さが伺えます。

What Do You Won't Do For Love / Bobby Caldwell
My Flame / Bobby Caldwell


■ Another Night / Wilson Bros. (79)

アナザー・ナイト/ウィルソン・ブラザーズ
¥1,234
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ミシガンのシンガーソングライターWilson Bro.の79年に発表されたアルバムです。シングル「Another Night」が全米94位のヒットという非常に地味なものですが、AOR好きの間では人気があったようで、私もTower Recordの試聴コーナーで聞いて、思わず買ってしまったものです。アルバム全体のクオリティが高く、「Thanking Heaven」での都会的でジャジーな曲や、「Feeling Like We're Stranger Again」のノリノリのサウンドなど素晴らしい楽曲が目白押しです。Toto のSteve Lukatherがギターで参加しています。

Another Night / Wilson Brothers
Feeling Like We're Stranger Again / Wilson Brothers


■ Christpher Cross / Christpher Cross (79)

Christopher Cross/Christopher Cross
¥847
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テキサス出身のシンガーソングライターで、デビューアルバム『Christopher Cross』(邦題:南から来た男)ではGrammy賞の主要4部門を制覇するという偉業を成し遂げました。「Sailing」が全米1位、「Ride Like The Wind」が全米3位を記録。個人的にはこのシングル2曲も好きですが、Micheal McDonaldがバックコーラスで参加している「I Really Don't Know Anymore」がお気に入りで、Larry Carltonのギターソロがなんともカッコイイです。

Sailing / Christpher Cross
I Really Don't Know Anymore / Christpher Cross


■ Chicago 17 / Chicago (84)

Chicago 17/Chicago
¥725
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シカゴ出身で70年代初期にはブラスバンドとして、70年代後半から80年代以降はAORサウンドで人気のロックバンドです。ブラスロック期はそれはそれで好きなのですが、個人的には洋楽を聴きはじめの頃に大ヒットしていたこのアルバムを愛聴しています。Chicagoの数多くのアルバムで最も売れたアルバムで、シングルは「Stay The Night」(全米16位)、「Hard Habit To Break」(全米3位)、「You're The Inspiration」(全米3位)、「Along Comes A Woman」(全米14位)とヒットして、全米だけで600万枚を売り上げています。楽曲は全ての楽曲がシングルヒットしそうなぐらい素晴らしく、アップテンポとスローのバランスも絶妙です。アルバムのラストの「Once In A Lifetime」がブラスロックの香りも残していて、この終わり方もまた泣けます。

You're The Inspiration / Chicago
Once In A Lifetime / Chicago


ということで当サイトが選ぶAORの名盤10枚でした。