Billboard No.1 Hits - 1982 - | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

過去と現在の洋楽シーンをチャートデータをもとに紹介するページ(週一更新予定)

□ Billboard No. 1 Hits - 1982 - (15)

John Cougar
American Fool

1982年には第二次ブリティッシュインベイジョンが起こりました。UKではシンセサイザーを使ったポップなロックサウンドをするバンドやラテン系、R&B系の音を貪欲に取り込むアーチストが次々と登場していました。同時にビデオクリップもアイディアやドラマ性の高いものが作られ始め、全米でもMTVでヘビーローテーションされ、大ヒットにつながっていきました。


■ I Can't Go For That ( No Can Do ) / Hall & Oates ( 1 Week)


10週間1位を獲ったモンスターヒットを引きずり下ろしたのは、当時絶頂期を迎えていたHall & Oatesでした。黒っぽいサウンドですが、Hall & Oates独特のポップ感覚でコーティングされた80年代の名曲の一つです。アルバム『Private Eyes』から2曲連続の1位。サビの歌詞にリズム感があって、思わず「No Can Do!」って言ってしまいます。


■ Centerfold / J. Geils Band ( 6 Weeks)


ニューヨークのバンド J Geils Bandのビッグヒット。「堕ちた天使」という邦題とともに、下着姿で生徒が踊るセクシーなビデオクリップも話題になりました。この年は珍しくロックナンバーにビッグヒットが出ますが、バラード以外で6週以上1位を獲ったロックナンバーはこの後も殆ど出ていません。


■ I Love Rock'n Roll / Joan Jett & The Blackhearts ( 7 Weeks)


Britney Spearsもカバーでヒットしましたが、この曲がオリジナルです。女性ロッカーとしては記録的なヒットとなったJoan Jettの唯一の全米1位ナンバー。分かりやすい「ロック賛歌」で、シンプルなギターのリフが気持ちいナンバーです。


■ Chariots Of Fire / Vangelis ( 1 Week)


映画『炎のランナー』の主題歌。ギリシャはアテネ出身のVangelisのシンセサイザーとピアノによるインストナンバー。21週間という長期間を費やして1位を獲った苦労のナンバーです。


■ Ebony And Ivory / Paul McCartney & Stevie Wonder ( 7 Weeks)


天才作曲家Stevie WonderとPaul McCartneyによる夢のデュエットが7週間の大ヒットを記録しています。EbonyとIboryは価値感の違う人が一緒にやっていけるということを歌った歌。ビデオにも登場している白い鍵盤と黒い鍵盤が象徴的。ちなみに二人が共演しているビデオは合成。Paul のアルバム『Tag Of War』から、PaulにとってもStevieにとっても最大のヒット曲となりました。


■ Don't You Want Me / Human League ( 3 Weeks)


UKのニューウェーブバンドHuman Leagueの大ヒット曲。UKではこのようなシンセサイザーを使ったテクノポップが流行していてSoft CellやDepeche Modeなどが登場していました。Human Leagueの1位がブリティッシュインベイジョンの幕開けでもありました。邦題「愛の残り火」は迷題。


■ Eyes Of The Tiger / Survivor ( 6 Weeks)


映画『ロッキーⅢ』の主題歌。元々Queenの「Another One Bites The Dust」が使われる話もありましたが、結局はシカゴの当時無名のバンドSurvivorが起用され、大ヒットを記録しました。映画のメッセージをそのまま歌にしたようなアグレッシブなナンバーで、この曲を聴くとアドレナリンが上がる人も多いはず。


■ Abracadabra / Stevie Miller Band ( 2 Weeks)


70年代後半から「Jocker」などヒットを連発していたギターリストStevie Millerの3曲目の全米1位曲。シンセサイザーを使った最新のポップサウンドに、Stevie Millerの変態ギターが絡み合います。00年にはSugar Rayが王道ギターサウンドでカバーして話題になりました。


■ Hard To Say I'm Sorry / Chicago ( 2 Weeks)


70年代に活躍していたブラスロックバンドのChicagoは「愛ある別れ」のヒットからアダルトコンテンポラリーなバンドに方向転換。Peter Cetera作曲、David Fosterプロデュースの黄金コンビのこの曲で2曲目の全米1位を獲得すると共に、第二の黄金期を迎えることになります。邦題は「素直になれなくて」。90年代にAs Yetによってカバーヒットしました(97年8位)。


■ Jack & Diane / John Cougar Mellencamp ( 4 Weeks)


80年代、90年代と数多くのヒットを放ったアメリカンロックシンガーJohn Cougar Mellencampの唯一の全米1位曲。82年の大ヒットアルバム『American Fool』収録。最近ではJessica Simpsonがサンプリングしてヒットしていました。


■ Who Can It Be Now ? / Men At Work ( 1 Week)


オーストラリアで恐らく最も成功したバンドMen At Workの初の全米1位曲。邦題「ノックは夜中に」というタイトルと共にコミカルなナンバーですが、サックスが入っているのが良い感じ。


■ Up Where We Belong / Joe Cocker & Jennifer Warnes ( 3 Weeks)


世界的に大ヒットした映画「愛と青春の旅立ち」からの名バラード。歌っているJoe Cockerにとってこの曲が初の全米1位曲となります。サビのメロディの高揚感というか美しさは80年代でも屈指の名曲。


■ Truly / Lionel Richie ( 2 Weeks) * Not Original Video


Commodorsとして全米1位を放ち、Kenny Rogersの1位ヒット「Lady」を書き、ソロとしてはDiana Rossとのデュエット「Endress Love」でビッグヒットを記録したLionel Richieの単独となる全米1位曲。Lionelらしい壮大なバラードナンバーで、現在のNe-Yoのような存在でしょうか。そして翌年の83年にはGrammy受賞とともにキャリアのピークを迎えます。


■ Micky / Toni Basil ( 1 Week)


ガレッジセールのゴリによるカバーがあるまでは非常にマイナーなイメージがあったポップヒット。チアリーダーのダンスをしたビデオクリップは集団によるダンスビデオの最初のもの。


■ Maneater / Hall & Oates ( 4 Weeks)


82年の最後の1位もHall & Oates。アルバム『H2O』から4週間の1位は最高記録となります。Supremesの「You Can't Hurry Love 」のリズムを引用したような黒っぽいダンスナンバー。最近Nelly Furtadoが同名異曲のヒットを放っていますが、まずこの曲が頭に浮かんだぐらいに印象深い曲のタイトルです。


ということで82年の全米1位曲でした。