「あなたはありのままの自分に自信がないのでしょうか?」
という言葉がけに対して
「そうかもしれません。でも、ありのままの自分で自信がある人なんているんですか?」
と聞いていただくことがあります。
この時、私はクライアントさんの心の中のお話をしていますが、
クライアントさんは「一般の人々」の話をしていることになります。
これは、
自分の苦しみに自信が持てない方によくある思考のパターン
だったりします。
自分の悩みは、悩むほどの価値があるのか?
自分のトラウマは大したことなくて、本当は甘えなんじゃないか?
そんな気持ちがあると、何でもすぐ
「一般的にはどうなんだろう」
「みんな自分と同じくらいの悩みは持っているんじゃないか」
と他者の視点で考えてしまう。
たしかに、物事を冷静に、客観的に考えようと出来る力は大切ですよね。
でも、「心の話」の場合はちょっと事情が違ってくる。
たとえば、さっきの
「ありのままの自分で自信がある人なんているんですか?」
という疑問を実際に検証したとします。
つまり、街中を歩く老若男女に
「ありのままの自分に自信がありますか?」
と聞くんです。
すると多分、ほとんどの人たちが
「ない」
と答えると思います。
これは、日本の国民性も関係していますが、
それ以前に、
「ありのままの自分に自信がある人」は、そもそもそれが当たり前なので大して自覚もしてない…という理由があるから。
自覚してないから、改めて「自信がある?」なんて聞かれると
「え~ないなあ~」と答えます。
目に見えないものだからこそ、なかなか確信を持てないんです。
でも、それを聞いたクライアントさんはどうでしょうか?
「やっぱりみんな自信なんてないけどそれでも頑張ってるんだ!ありのままの自分に自信、なんて甘えかも」
と考えて、ますます殻に閉じこもってしまいます。
でもですね、
まず、この「他者の行動や発言を基準にしないと自分の苦しみを測れない」という行為そのものが、自信のなさ以外の何物でもないんですよね。
続きます
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