カウンセリングに初めてクライアントさんが来られる時、
お悩みが明確ではない方がいらっしゃいます。
仕事に行くと職場の人の目が気になるし、
家に帰ってからも小さなミスのことを引きずってしまう。
友人と会いたかったはずなのに会うとどっと疲れる。
なぜかたくさん食べてしまう。
部屋を片付けたくても片付けられない。
たまに昔の嫌な記憶がよみがえってきて、
なんども反芻したり落ち込んだりしてしまう。
いつも身体がだるくて疲れている気がする。
よく分からないけど限界を感じる。
たくさん悩みはあるはずなのに、
結局何に悩んでいてなんでこうなっているのかが分からない上に、
全部のつながりが見えないので、
何を相談したらいいかもよく分からなかったします。
なので、最初に「お悩みは何ですか?」と聞いたときの答えと、
実際の悩みが違った、なんてことも結構よくある話です。
そして、こういう方には
「恵まれていたコンプレックス」
とでもいえるようなものがあったりします。
悩みのどこかに、
「私には他人と比べて大きなトラウマになるような事件はなかった」
「親は私を正しく育ててくれたと思う」
「貧乏で困ることも、暴力をうけることも無かった」
という気持ちがあって、
「なのに私は何に悩んでいるんだろう」
「どうしてこうなってしまったんだろう」
と悩みを増やしてしまうパターンです。
つまり、対象大げさに言ってしまえば
「恵まれていた」のだから「苦しみを訴える資格がない」
と感じてしまって、悩みをまじめに相談することに抵抗を感じてしまうのです。
(でも、このタイプの方で本当に成育環境に問題がなく恵まれていた方ってほとんどいないのが現実です。)
でもこの「苦しいという資格がない」という考え方を続けていると、
自分の悩みやつらさを見ようとしなくなるので、
最終的に「正体不明の生きづらさが付きまとう」という状態になってしまうこともあります。
自分の苦しみを無視すればいつか何も感じなくなるようになれるかも、と思うのも間違いです。
あなたの意識が何も感じられなくなっても、あなたの無意識が覚えています。
それがトラウマです。
だから、悩みの正体がつかめなくても、
何に苦しんでいるのかよく分からなくても、
他の人に比べれば大したことないと思うようなつらさでも、
相談してくださいね。
*このブログは毎日19時に更新されます
当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら
※このブログ内に登場するエピソードは特定のクライアントさんの経験談とは関係ありません。