どんな人間も、たった一人で生きてきたわけではない、と思います。
それは
あらゆる人から見えないところで支えられている、という意味でもあるし、
あらゆる人の干渉を受けて苦しんだりつらい思いをしている、という意味でもあります。
例えばあなたが嫌いなことは、あなたではなく母親の倫理に背くものかもしれないし、
あなたが苦手なことは、あの子から嫉妬されるを避けるために「苦手なことにした」だけかもしれません。
あなたのセンスや美的感覚は、あの先生が「良い」と言ったものによることもあるでしょう。
服や車を買う時、美容院で髪を切る時、誰かの顔を思い浮かべることはありますか?
その人のお眼鏡にかなうかどうか、
あるいは「なんか変」と言われるかどうかをぼんやり考えて、
それとなくその人に褒められそうな方を選ぶ人は少なくないでしょう。
個性やオリジナリティと言われるものも、元をたどれば意外と他人のもの(感情)だったりするものなのです。
その証拠が、カウンセリングです。
出来なかったことができるようになる。
嫌いだったものが平気になる。
すばらしいと思っていたものに疑問を持つ。
生きることが楽になる。
これは、クライアントさんに何かを足すことでこうなるわけではなく、
むしろクライアントさんから何かを引くことでたどり着くことの方が多かったりします。
何か、とは「他人の人生」です。
自分の人生の中に混ぜ込まれている他人の生き方を、取り除きます。
そうして、変化した人たちはある時、
「この苦しみは、私の意思や能力のせいではなかったのか。」
「あんなことを私は私の基準にしていたのか。」
という具合に、何かに気づくこともあります。
絡まっていた紐がほどけると、その紐の先を誰が持っているのかが分かるようになります。
そこまで分かれば、あとはいらない人のいらない紐を手放していくだけ。
手放すときの寂しさは、カウンセラーに任せてください。
手放した分だけ、今度は自分から作られた、自分の紐が紡がれます。
ひも解く、とはよくできた日本語ですね。
生き方を変えるのは根性論ではありません。
あなたの人生に絡みつく「誰かの人生」を、心の中で切り離すだけでも良いのです。
本来の自分を見つけることほど、面白いものはありませんね。
*このブログは毎日19時に更新されます
当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら
※このブログ内に登場するエピソードは特定のクライアントさんの経験談とは関係ありません。