昨日の続きです
Aさんの特徴を箇条書きにすると、こんな感じになります。
・会って間もないころから好きになる
・優しいけどパッとしない人には興味が持てない
・イケメン、金持ち、特殊な職業など、普通じゃない「特別」な何かを持っている相手に惹かれる
・ときめきが欲しい、お姫様のように扱われるのが好き
・自分とは違う世界に連れて行ってくれる人が好き
この、「白馬の王子様との出会いを望んでいる」ようにも見える恋愛傾向は、
一見すると夢見がちで理想が高く、いつまでも子供の頃の夢から抜け出せていないようにも見えてしまいます。
でも、果たして本当にそうなのでしょうか。
Aさんのような恋愛傾向を持つ女性(男性も)の方にとっては、
恋愛をしている時の自分というのは「理想に近づいている時のキラキラした自分」であり、「生きていることを実感できる自分」のように感じられたりします。
では、恋愛をしていない時の自分はどうかというと…
落ち着いていて、感情に振り回されず、フラれて傷つくこともなく、淡々と現実世界を生きていく…非常に虚無でつまらない自分。
そう、Aさんのような恋愛傾向の正体は、「夢見がち」ではなく、「リアルをとても恐れている」だったりすることがあります。
淡々と日々を「普通に」生きていくことが怖い。
夢を見なくなったら、リアルの私と向き合ってしまったら…と思うのが怖い。
ときめきのない時間、ふと感じる虚無の瞬間が怖い。
…夢見がちな恋愛体質の人には、憂鬱で、なにか得体のしれない絶望がすぐそばに横たわっているような恐怖があったりします。
実際、「ときめく恋愛を夢見る乙女」という出発点からカウンセリングを進めていった方が
「本当は生きていたくない」
「私は誰にも受け入れられない」
…なんて気持ちに気づくことがあったりします。
そして、
「違う世界を見せてくれる彼に惹かれるのは、私の中に生まれ変わりたい気持ちがあるかもしれない」
なんてことにはっと気づきます。
自分に価値を見出せない苦しみや、
誰かに生まれ変わらせてもらうしかないと思うほどの無力感が
あったのだと思う時、
ただの「夢見がちな恋愛体質」に見えた恋愛観の、深い意味に気づくことが出来るのです。
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※このブログ内に登場するエピソードは特定のクライアントさんの経験談とは関係ありません。