人を伸ばす期待、人を壊す期待 | 仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

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昨日の続きです

 

 期待とは

 

昨日、「相手に期待をしていると、本当に相手が期待通りになっていく」という現象について書いてみました。

 

要は

 

人は、期待している相手に対して無意識に言動を変化させるので、気づかぬうちに相手を期待通りに変えていくことになる

 

という話です。

 

でもこれ、解釈を間違えてしまうと

 

「うちの子に期待していれば優秀になるってこと?」

 

「彼女が美人になるように手伝えばいいってこと?」

 

みたいな考え方になってしまうので、今日はその補足です。

 

 

ここで書いている期待というのは、

 

①相手への期待であること

 

②今の相手を否定していないこと

 

③その期待がかなわなくても、大きな問題がないこと

 

この3つあたりが重要なポイントじゃないかな~と思います。

 

 

 ①相手への期待であること

 

まず、単純に「期待」が相手への期待であること、ですね。

 

「うちの子は頭がいいから、勉強を頑張らせたら名門に入学出来て、私も鼻高々かも!」

 

は、子供へ期待しているのか、子供を使って自分が鼻高々になれることを期待しているのか、ちょっと微妙なところです。

 

このような気持ちは人間だれしも多少あるものなので、だめ!というわけではないのですが、今回のテーマである「期待」とは違うものかもしれません。

 

 

 ②今の相手を否定していないこと

 

期待といっても、今の相手を否定している状態ではあまり意味がないかもしれません。

 

交際相手に「この人はこれからもっときれいになるな~」と思われているのと、「今のままじゃだめだ」と思われているのでは、もちろん全然違いますよね(-_-;)

 

彼氏や主人に容姿のダメ出しをされて、必死に変わろうと頑張っているクライアントさんとお話すると、

 

パートナーの思い描く「きれい」に近づけば近づくほど自信のようなものが失われて、

 

むしろどんどん不安定になっていって、「幸せはどこ?」状態になってしまっていることがあります。

 

 

「僕の理想通りになることを君に期待しているよ、今のままじゃだめだけど」という前提が付いた時点で、それは期待というより強制なんですよね。

 

 

 ③その期待がかなわなくても、大きな問題がないこと

 

なので、この③が必要になります。

 

子供が名門学校に入学出来なくても、

交際相手が今のまま変わらなくても、

 

つまり、

 

「相手が期待通りにならなくても、問題はない」という状態で相手に期待している

 

というのが、ここで言う期待のことなのかな~と。

 

だから、よい学校に入れなかった子供を責めたり、「私は母親失格なんだ」と自分の評価に結び付けたりしちゃうような気持ちがあるなら、

 

それは、期待というよりなにか背負わてしまっているかもしれませんね。

 

相手と自分の人生を結び付けて相手に期待してしまうのは、やりすぎると相手をこわしてしまいます。

 

 

 

…と、ここまで書いてきましたが、「言うは易し」です(笑)

 

実際多くの人は、自分の利益ありきで他人に期待することが多いですし、この「期待すると相手が伸びる」という話を知ったからと言って、

 

「じゃあ、あの人に純粋に期待しよう!」

 

と思ってしまったら、それはもう意図的になるわけなので、あんまり効果はないかもしれません。

 

でも、例えば昔を振り返った時、

 

「あの人と出会ってから、私は成長したかも」

 

と思える人が1人でもいたとしたら、

その人は自分のことを純粋にワクワク期待してくれていたのかもしれません。

 

そう思うと、なんとなく「純粋な期待」の輪郭がつかめるような気もしてきます。

 

 

 

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