クライアントさんのお悩みには、
・自分で説明できる(覚えている)トラウマ
と
・自分ではトラウマだと思ってないトラウマ
の2種類があります。
前者は、「これがつらい」とか「こんなことがあった」と自分で認識できているもので、
後者になると、カウンセリングが進んだり、指摘をされたりして初めて「あ!」と気づくようなもの、とイメージしてもらえるとよさそうです。
そして実は、クライアントさんがトラウマだと自覚出来ているものは、氷山の一角だったりします。
ちょっと語弊があるかもしれませんが、わかりやすさを重視して言うと、
『自覚出来ているトラウマの奥底に、自覚出来ていない根本のトラウマがある』。
こんな風に言えるかもしれません。
精神分析の世界では、言い間違いや「言葉のど忘れ」なんかの中に、何か意味があるととらえたりします。
でもそれは、「ど忘れした言葉=トラウマ」という単純な話ではありません。たとえばど忘れした言葉と音の近い言葉が、心の傷になった言葉だったりします。
これも極端な話なので、分かりやすさ重視で書いた例だと思っていただきたいのですが、
例えば、「学校」にまつわる何かが、クライアントさんの心の傷(わすれてしまいたいこと)になっていたとします。
でも、クライアントさんが実際にど忘れする言葉は「月光」だったりする、という話です。
根本的なトラウマは、こんな風に「表面的に出てこない」ことが多くあります。
そして、根本的なトラウマを見つけてあげないと、同じことを堂々巡りしてしてしまうから厄介です。
「職場の先輩にパワハラをされてトラウマ」とおっしゃる人が職場を変えても「また同じような先輩に目をつけられた!」なんてことが起こるのは、こういう背景があったりするから。
根本のトラウマが変わらないと、同じ境遇を繰り返してしまうことがあるので、
どうしてどこにいっても辛いままなの?と
クライアントさんは困惑してしまうんですよね。
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