なんでも自分のせいにするのって… | 仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

開設から18年。不安感・対人関係・恋愛・トラウマについて小さなご相談から改善に向けた専門的な分析・心理療法によるカウンセリングまで幅広く承ります。仙台駅前パルコ2から徒歩1分のビル内にある看板のないカウンセリングルームです。Zoom、スカイプ、お電話でも承ります。

 

外在化、という言葉があります。

一言で説明すると、問題の原因を外に見出して「あなたのせいじゃないよ」とする手法です。

 

でも、外在化の説明をすると、「それって逃げてるだけなんじゃ…」と捉える方もいるんじゃないかと思います。

 

自分のせい、を人一倍感じやすい「自己責任論者さん」は外在化がとにかく苦手です。

 

全ての問題は自分から起こっているのではないか?と考え、そんな自分はすべての責任を負わなければいけないし、自分の罪を自分が一番分かっていないといけない、と思っています。

 

そういう方にとって、外在化を認めるということはむしろ「都合のいい理由を付けて逃げてるだけ」「責任を転嫁しているだけ」という考えにつながりやすいのが難しいところ。

 

外在化を受け入れようとした自分を「自分の悪さを棚に上げている」と責めることで、ますます自己責任論を強めてしまうこともあります。

 

また、「自分の問題なのに自分の外に原因があるなんて嘘」と反射的に感じてしまうので、外在化の話を他人にされても裏を読もうとしてしまいます。

 

「本当はそんなこと思ってないのではないか」と本音を勘繰ったり、「気を使われている」と落ち込んだり。

「そういう手法なんでしょ」と距離をとろうとしてしまう事もありますよね。

 

自己責任論者さんはブラックホールです。

なんでもかんでもブラックに解釈して、ものすごい力で自分の中に吸収して、全部を自分の問題にしてしまう。

 

でも外在化は、そんな自己責任論者さんに本当はピッタリな手法です。

 

外在化の本質は、近づきすぎた「自分と問題との距離」を適切な位置に戻すこと。

 

責任を転嫁したり自分を棚上げすることとはちょっと違うんです。

 

例えば、今私の机にはペットボトルの炭酸水(レモン風味)があるんですが、それを極限まで両目に近づけてみます。

 

すると、途中から焦点が合わなくなってラベルを読む事が出来ません。

 

問題と自分の距離が近いって、そういう感じです。

 

「全部どうせ自分のせい、だからこの問題は自分のもの。」

 

そう思っていると、問題との距離が近くなりすぎてピントが合わなくなるんです。

だから苦しいのになかなか変われない。近すぎてよく見えてないからです。

脳内で勝手に補完して、「私にはこの問題がある」と思っているけれど、目の前の問題そのものはぼやけてしまっていることがあります。

 

そして、問題との距離を詰めるほど、その存在が大きく見える。

視界一杯に「自分の問題」が見えてしまって、意識せざるを得ない状況です。

 

問題との距離が近いということは、問題を自分のものにしてしまうこと。

問題を自分のものにすることで、その問題から抜けられないような感覚になっていきます。

 

 

自己責任論者さんにまず必要なのは、

 

「自分の問題の責任を取り続けて生きていく」という姿勢ではなく、

「自分の問題を早く取り除く」ということでもなく、

 

「自分の問題かどうかってなんか意味あんの?」という心持です。(笑)

 

でもその気持ちを得るためには、「問題と距離を取る」必要があります。

上手な外在化は、役に立ちますよ。

 

 

 

*このブログは毎日19時に更新されます

 

カウンセリングルームまきびHP

 

Instagramも更新しています

 

 

当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら

 

佐藤楓カウンセリングHP

 

佐藤楓Instagram