多くの人は、無意識に「考えるだけならタダ」という勘違いをしています。
でも、そんなことはありません。
辛いことを考えている時、不安を何度も頭の中で反芻する時、私達はしっかりと代償を支払っています。
VRって、一時期わっと有名になりましたよね。
ごつい眼鏡のようなものを装着することで、ゲームの世界がリアルに体感できるというすごい技術です。
昔テレビで、VRを装着した人が「高いところを歩く」というゲームをやっている場面を見ました。
もちろん、VRを付けた人にしか「高いところ」は見えていないので、周囲の人から見れば、「ごつい眼鏡を付けた人がただのフローリングを歩いている」のが現実です。
第三者から見れば滑稽な姿だけど、VRを付けた本人はとても怖がっていて、叫びながら、まるで綱渡りのような格好でよろよろしています。
そして最終的に足がすくんでうずくまってしまってました。
ゲームの画面を見ているだけなのに、リアルに感じられて歩くことも出来ない恐怖を体感する。
なんだかすごい体験のように感じますよね。
でもこれって、私達がいつも脳内でやってきた事なんです。
嫌な事や不安なことが思い浮かぶ時って、頭の中では一生懸命嫌な場面や不安な場面を再現しています。
リアルな想像は、VRと同じように、時に現実と同等のダメージを受けます。
(テレビでVRを付けた人も、VRを外したらお顔が疲れてました(笑))
ベッドの上で「仕事に行くのが怖い」と考えていたら、それは実際に仕事に行って、ミスをして上司に怒られているのとあまり変わらないんですよね。
だから、いつも先回りして不安を感じたり、過去のことを後悔したりしている人って慢性的にとても疲れています。
身体がだるいし、頭が回らないし、朝起きた瞬間にすでに絶望している。
これは、当たり前のこと。
「考える」ってタダじゃないんです。
頭の中でリアルにそれを体験し、恐怖や不安を味わっているのですから、疲れるのは当たり前です。
それを何度も頭の中で繰り返したら、当然脳が休まらないのでパンクします。
そして、うまくいかなかったことばかりを想像して疲れ切っているので、先回りして絶望してしまうのです。
そうやって脳内の「不安VR」を作り出している間、その人は「今」を生きることができなくなります。
考えるほど、心も体も代償を支払い疲弊し、「今」を放棄した負債を抱えていくのです。
だから、「嫌なことを何度も思い出す」とか「先回りして不安になる」というのは、実はとても大事なお悩みです。
脳内VRを繰り返してしまうのをやめて、仕事前夜をおだやかな気持ちですごせるようになったなら、人生はとても生きやすくなります。
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