カウンセリングをしていると興味深い事がたくさん起こるのですが、
その一つに「お悩みの原因は意外なアレだった!」という発見があります。
例えば、
「仕事が出来なくて不安、人が怖い」と悩んでいたクライアントさんとお話してみると、人が怖いんじゃなくて「人が出す物音」にすごく反応していることが分かったりします。
その物音についてさらに話を進めていくと、クライアントさんが「あ!」と言って、「昔、父親が機嫌が悪い時に決まって出す物音があったんですよ」なんて話に展開したり。
それまで自分の家族には問題がないと思ってきたクライアントさんが、「もしかして私あの音が怖かったのかな?」という気づきを得てもう一度人生を振り返ってみると、
「あ、あの時も人じゃなくて音が怖かったのかも」と思い当たるエピソードが他にも出てきます。
そこで、父親が出した音のことを考えながら心理療法を受けてもらうと、なんと仕事場での不安が減るんです。
仕事が出来ないこと、人が怖いことをどうにかしたいと思っていたクライアントさんですが、行きついたのは「父親との関係」だったということになりますね。
(このエピソードは例です)
……という感じで、お悩みの原因って意外なところとつながっていたりします。
対人への不安が眼鏡を変えたらマシになったり、
誰かへのイライラは、実は体の不調が先行していたり、
「あの時のトラウマが原因」と思っていたのに、実はその前にきっかけがあったり。
カウンセリングでは、最初に感じていたお悩みが最終的には想像もしない場所に行きつく、なんてことがたくさんあります。
ただ、一つだけ大事なのは、私達が考える原因が、本当に「原因」だったかは誰にも分からないということです。
たとえ、私とクライアントさんがどちらも「これはあの時のトラウマが原因だ!!」と確信した時でも、本当にそうなのかは誰にも確かめようがありません。
だから「本当の原因探し」も大事ですが、あくまで「生きやすくなるために」原因を探すという考え方が大切ですね。
まあ、長年悩み続けてきた事の原因(らしきこと)が見つかった瞬間って、クライアントさんもカウンセラーもちょっと楽しくなっちゃうのも事実です。アハ体験みたいで。
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