昨日の続きです。
■何もしたくないと感じる
■体がだるい、感情の動きが鈍くなった
■どうせ頑張ってもうまくいかないと思う
■つらい状態から抜けだすための努力が出来ない
そんな気持ちになってしまう「学習性無力」についてのお話でした。
学習性無力のポイントは、「長い期間(たくさん)ストレスにさらされる」ことと、「自分ではどうにもならないと感じる」事です。
コントロール不能なストレスを受け続けることで、「どうにかしたい」と感じる気持ちも薄れていき、「今の状況にも満足していないけど何もする気が起きない」状態になります。
例えば、母親の感情が不安定な家庭で過ごした子供はどうでしょうか。
「家」という長時間過ごす場所の中で、母親が自分には把握できない「何か」で突然不機嫌になる。
もしくは、その子は一生懸命母親の機嫌を取っていたのに、帰宅した父親が余計な一言を言ってしまって母親の機嫌が悪くなる。
出来ないことがあると怒られるけど、何か出来ても褒めてくれるわけじゃない。
…そんな家庭環境で育っていると、子供はストレスを感じながらも「何をしても無駄」と感じ始めます。
授業中に寝るようになり、家にいても何もしない時間が増えていきます。
母親が怒らないようにしたいけど、頭もぼーっとして体もだるい。何か頑張ろうという気が起きません。
それと同時に、「母親のためにもっと頑張らなければならなかったのに、出来なかった」という感覚は、自分自身の無力感をとても強めてしまいます。
つまり、「何をしても状況は変わらない」という気持ちに加えて、「私は何も出来ない」「私が何をやったってうまくいかない」という無価値観も加わるんです。
無気力で無価値感が強い人は、もう何もできません。
自分自身に投資をすることも、将来を夢見ることも、今のつらい状況から抜け出すことも、全部が「どうせ無理」だと感じます。
だから何に対しても昔みたいに期待できないし、ただただ、毎日だるくて気持ちが重い。
学習性無力になってしまっている場合は、まずは自分の感覚を取り戻していく過程が必要です。
無気力になってしまった人はあきらめも早くなるので、ちょっとした失敗ですぐに「やっぱり自分には無理だった」と感じやすくなっています。
そのため、小さな目標から取り組んで「出来た」という経験を増やしたり、心の傷を解消したり、サポートしてくれる(出来なかったことに注目しない)人の存在があると良いですね。
「何も頑張れない」事に悩んだら、学習性無力について少し気にしてみると良いかもしれません。
*このブログは毎日19時に更新されます
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