昨日の続きです。
辛いことが多かったり、すぐに辛いと感じやすい人は、「他の人よりもつらさを知っている」ということになります。
でもそれは、「私の辛さは誰にも分かってもらえない」という孤独感につながるというお話でしたね。
この孤独感が強くなると、心の中で不思議な矛盾が生まれます。
孤独の原因となったはずの辛さを、まるで心の支えのようにして生きてしまうんです。
どういうことか、少し説明しますね。
「私の辛さは誰にも分からない」という感覚を持っている人にとって、周囲の人は分かってくれない、気づいてくれない人になります。
現実世界の人達は、自分のことを分かってはくれない。理解してはくれない。
「じゃあ、誰が私に寄り添って理解してくれるの?味方になってくれるの?」
一つだけ、絶対にあなたを裏切らない存在がいますよね。
そう、あなたの「辛さ」や「孤独感」そのものです。
あなたに苦しみを与えることそのものが、同時にあなたの苦しみを認知してくれるんです。
他者との世界の中で孤独感が募るほど、自分の苦しみの1番の理解者は、苦しみそのもの、という構図ができてしまう。
「つらいのは嫌」「孤独は嫌」という気持ちとは裏腹に、そこにすがって生きてしまう心が作られます。
するとどうでしょうか。
辛さが自分を孤独にしたのに、その辛さを手放せなくなっちゃうんです。
辛いと思えば思うほど、周囲の人は分かってくれない存在になる。
周囲の人が分かってくれないと感じるほど、自分の中にある辛さそのものが自分の理解者のように感じてしまう。
辛いからこそ「分かってくれない孤独」に陥ってしまうのに、その辛さが理解者になっているから手放せなくなる。
そうなんです。
このループに入ってしまうと、もはや「辛くて孤独なままでいる」方法しかなくなってしまうんです。
ここから抜け出すためには、「いまどんな状態になってしまっているのか」に気づくこと、がまず大事です。
ゆっくり進めていきましょうね。
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