私のカウンセリングでは心理療法をすることがあります。
心理療法と言ってもたくさん種類がありますが、
私が普段やっているのはトラウマや不安感、イライラなどの気持ちを「元の状態に戻していく」技法です。
元の状態って何だろう?と思いますよね。
例えば、電話に出るのが怖いAさんという方がいたとします。
Aさんの職場では、お客さんから頻繁に電話がかかってきます。
Aさんは、電話が鳴るたび嫌な気持ちになって、忙しいふりをして先輩に出てもらおうとしてしまうこともあるくらいでした。
また、職場の上司から電話がかかってくるたびに仕事のことを思い出すのも苦痛で、着信画面を見てはイライラすることもあったようです。
例えばここで、「元の状態に戻すための心理療法」を何度か試してもらうとします。
すると、
ふと気が付いたら、Aさんは前よりも電話を手に取る回数が増えていました。
「電話が怖い」という感覚が抜けはじめたことで、以前よりも電話への抵抗感が薄れてきたのです。
これが、私が扱う心理療法です。
ポイントは、「Aさんを電話大好き人間にすることはできない」という点(笑)
なぜなら、私の心理療法は「何も感じていない状態に戻すだけ」だから。
「電話が鳴ること」自体には、もともと何の意味もありません。
そこに何か意味を足して不快になってしまうのは、それが過去の経験やそれに伴う脳の反応とつながってしまっているから。
(もちろん、生まれ持って「大きな音が苦手」などの特徴を持つ方もいます。苦手に必ずしも心理的な意味があるわけではありません。)
なので、クライアントさんに「心理療法で○○が出来るようになった!」とおっしゃっていただくことがありますが、それは「本来その人が出来るはずだったこと」の域を出ないんです。
不安やストレス、トラウマの感覚が、知らないうちに自分のキャパを狭めている。
それは逆に言えば、本来もっと楽しく人生を歩める人だったり、もっと出来ることがある人だということです。
もちろん人の心はそう単純ではないので、1回の心理療法で人生がガラリと変わって無敵状態に!なんていう都合のいい変化はそうそう起こせませんが、
気になったことを一つずつ心理療法していけば、いずれ景色が変わってくるものです。
※心理療法は、必ずどんな人にも効果があるわけではありません。
その人によって、合う合わないがあります。
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