昨日まで、
必要以上に繊細で心配性な親のお話をしていました。
いつも子供のことを考えていて、
「接し方が悪かったんじゃないか」
「自分のコンプレックスが似てしまったらどうしよう」
「いじめられてしまったらどうしよう」
「ああすればこの子はこうならなかったかも」
「もしかして他の子と違うのかも」
「将来もし働けなかったら?結婚出来なかったら?」
とあれこれ考えてしまうお母さんやお父さんですね。
親なら誰でも多少は心配になるものですが、行き過ぎた心配をしてしまう親には「子供との距離が近すぎる」という特徴があります。
子供の人生と自分の人生が延長線上にあるような感覚があったり、
子供に何かあったらすぐ「自分のせいだ」と思ってしまったり、
まだ起こっていない「子供の不幸」を何度も想像してしまったり…。
例えば、「子供が結婚出来なかったらどうしよう」と不安になったお母さんがいたとしますね。
お子さんとの距離が近すぎるお母さんは、「”どうしよう”と思っている人が誰なのか?」が分からなくなってしまうんです。
「どうしよう」と思っているのはお母さんなのに、子供を「助けよう」と思っていたり、子供の「どうしよう」にお母さんがものすごく不安になってしまったりします。
何が言いたいかというと、
子供と親の心的距離が近すぎるというのは、「子供のことを分かってあげている」ことではないんです。
子供を通じて、あなたが自分の心の傷や不安を惹起されている状態、または子供を通じてその不安を埋め合わせようとしている状態です。
これは親の弱さではなく、親自身の育った環境や人間関係なども大きく影響しています。
抱えたものと向き合う時間的・精神的余裕が取れないまま親になった時に、「子供」という存在を通じて表出してしまうことがあるというだけです。
そんな時は、手始めに「子供は」という考え方を一回手放してみましょう。
子供のことを考えてしまいそうになったら、「私は」と頭の中で思って、「私は…」から言葉が続くのを待ってみます。
意外な言葉が頭に浮かんできたり、まったく言葉が浮かばないかもしれません。
気が向いたときに繰り返し問いかけてみるのががおすすめです。
私、という主語を意識的に持つことで、子供と自分を違う生き物としてとらえることが出来ます。
そして日々子供の不安で追われている人が、自分の感覚や記憶、感情を取り戻す作業にもなりますよ。
もし時間的な余裕があるのなら、通いやすいカウンセリングでご自分の話をする時間があると良いですね。
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