昨日の続きです。
死別などの喪失によって現れるさまざまな心理反応をグリーフと言います。
グリーフには段階があるとされていて、
①麻痺の段階
②切望の段階
③絶望の段階
④回復の段階
の4つに分けることが出来ます。
失恋や破局も、「大切な人の喪失」という点においては遺族の悲しみにも近しいものがあり、この4段階と重なる部分があるというお話でした。
①②に関しては昨日のブログを見ていただけたらうれしいです。
③絶望の段階
もう元の生活には戻れないことを理解するにつれて、その苦しみが実感を伴う段階です。
大切な人がいないということは、「大切な人がいた時の自分」も失うということ。
これから生活が変化していくこと、もう大切な人がいた生活には戻れないことを思い抑うつ的な気分が続きます。
④回復の段階
絶望を受け入れ、少しずつ自分の生活を取り戻していく段階です。
失った人のことを考えなくても過ごせる時間が出てきて、気分が外に向き始めます。
この4段階は、人のとても正常な反応です。
悲しみは悲しみとして、きちんと感じ切ることが心の回復につながります。
とはいえ、その悲しみや喪失感を一人で抱えるのはとてもつらい。
失恋や破局の悲しみでカウンセリングにいらっしゃる方は、お話をして気分を整理しつつ、トラウマの心理療法(技法)を行うこともあります。
誰かに話を聞いてもらうということは、痛みを一人で抱え込まずに済みますし、
心理療法は過度な心の痛みを和らげることが出来るので、この4段階のプロセスをクライアントさんが最小限の痛みで乗り越えていくお手伝いになります。
辛いことと向き合わなければならない時、思いを共有できる相手がいることは心強いものです。