昨日の続きです。
②言葉を真に受けてしまう
傷つきやすい人のもう一つの傾向として、「言葉を真に受けてしまう」という点があります。
ここでいう「真に受けてしまう」というのは、噓を見抜けないという意味ではありません。
「言葉を全力で受け止めてしまう」という意味です。
例えば、上司に「仕事を丁寧にやって」と言われて傷つく人が、
おみくじに「仕事は丁寧にやれ」と書かれているのを見ても、「気を付けよう~」程度で受け流せることがあります。
これは、占いやおみくじに対して、私達が
「他の誰かも当てはまること」
「たまたまこれを引いただけ」
という気持ちが心のどこかにあるからです。
つまり、半分「他人事」だと思っているから、言葉を真に受ける必要がない。
だから必要以上のダメージを負うことなく「ふ~ん」で処理することが出来る。
そして、必要以上のダメージを負っていないから、心に余裕が出来て「気をつけよう」とシンプルに思うことが出来ます。
一方、上司に何か言われるのはどうでしょうか。
自分に対して直接言ってくるのだから、占いやおみくじよりも「他人事」とは捉えにくいですよね。
ここで、傷つきやすい人は一気に「言葉を真に受ける」のスイッチが入ります。
つまり、言葉を一言一言全力で聞いて、さらにそれを全力で自分なりに「解釈」するスイッチが入ってしまうんです。
上司から、「ここ、次からこうしてくれないかな」と言われた時に、
言葉を真に受けすぎない人達は、上司の言葉をシンプルに受け取ります。
ところが、言葉を全力で受け取る人は
こんな感じになってしまう。
言葉を真に受けない人は、相手の発言の裏にある事情をあまり深く考えないので、
「そうしたほうが業務上の効率がいいんだな~」
程度に、シンプルに受け止めることが出来ます。
でも、言葉を真に受ける人はいろいろ考えてしまうので、業務の効率や改善、ということよりも先に
「この人は、私という人間に言っているんだ」
という点にまず着目します。
すると、「自分(だけ)に上司が話しかけた」ということの意味を考えてしまうんです。
だから図のように、「自分に話しかけた上司の意図」を詮索するスイッチが入って、そこに自分の不安や自身のなさを関連付けて考えてしまう。
結果的に上司が言いたかったことよりも、上司の一言で惹起された不安感や解釈に捉われてしまって、とても傷ついてしまいます。
昨日書いた①と今日書いた②は連動するので、他者の言葉が(こちらへの非難の意味を込めた)鋭いヤリのように感じる状態になるというわけです。
「というわけで、相手の言葉に鈍くなりなさい」と言われてもなかなか難しいので、私のカウンセリングだと傾聴より技法を使うことの方が多いお悩みです。
※もちろん傷つきやすい人の理由はもっとあるので、これらはあくまで一例です。
*このブログは毎日19時に更新されます
当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら