昨日の続きです。
私のカウンセリングでは、本格的にカウンセリングに入る前に、生育歴や家族歴(家系図)をお聞きする時間をいただいています。
もちろん遺伝的な傾向や、家族構成を見るためという理由もありますが、「世代間の問題を背負わされていないかな?」という点を考える時の参考になることがあるというのも理由の一つです。
昨日のブログでも書いてある通り、子供はその家系に流れるゆがみを引継ぎ、背負ったり調整したりする役割を担ってしまうことがあります。
そして時に、家族のなかにある隠された問題を身をもって暴露することで、「ここに問題の根っこがある!」と訴えることもあります。
ここでいう暴露とは、ほとんどの場合
「うちの親はお互いに不倫をしていて僕に興味がありません」とか「私が女らしくなっていくことを母親が望んでいません」と言葉に出して言うことではなく、目に見える形で現れるものです。
例えば引きこもり状態、拒食、親と同じ苦しみを再現する(暴力をふるう相手と結婚するなど)、など。
前回のブログでは、「子供が暴れることで親が団結して家族の形が保たれる」というケースを書きました。
子供が暴れることで夫婦が本当の問題に直視せずにすむという側面がある一方で、子供は「ここに問題の根っこがある」と訴えてもいるのかもしれません。
問題が解消されなければ、自分が背負ってしまったものをまた自分の子に背負わせなければならないかもしれないから。
このようなお話は、あくまで一例です。
全員に当てはまるお話ではありませんし、同じ状況でも背景は違う要因かもしれない。
でも、例えば「虐待された子供が、なぜ同じことを自分の身内に繰り返してしまうのか?」と思った時、「世代間で引き継がれているゆがみ」という視点が必要な場合もあります。
親の血を引いてるから、ではなくて、背負ってしまった役割があるからやってしまう。
自分の人生をかけて、「ここに問題の根っこがある」と訴えている。
そんな可能性も、ちょっと考えてみると世界が広がることがある。
心の中にある悩みに答えが無い時は、視点を引いて、より広い地図から見てみると何か見えてくるかもしれません。
*このブログは毎日19時に更新されます
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