日本には、「子はかすがい」という言葉があって、夫婦の縁をとりもつ存在として「子」の役割を匂わせています。
子供のおかげで家族が一つになる。
ある意味家族の「調整役」です。
しかし、現実に「かすがい的な存在を担わされる」というのは、なかなか大変な事だったりします。
たとえば、家で大暴れしたり引きこもる子供の中には、「夫婦の問題を肩代わりしているケース」があったりします。
子供が問題を作り出すことによって、夫婦は互いのもっと大変な問題を直視せずに済むからです。
もし「一緒に子供をどうにかしよう」と思えれば、夫婦は同じ方向を向いて手を取り合うことまで出来てしまう。
この時、夫婦は本気で子供のことで悩み、将来を案じています。
が、もし今の子供の問題が無かったら…もっと重大な自分たちの問題を目の当たりにしていた可能性があったかもしれません。
(子供に問題行動がある=夫婦に問題がある、と言うわけではありません。)
このような、本来「夫婦二者間の問題(あるいは母、もしくは父に当たる人の問題)」であったものを、子を巻き込み背負わせることによって、家族の形を取り持ち続けることができる、という家族のシステムが存在しています。
この場合、問題は、「世代を超えて”ゆがみ”が受け継がれてしまう」という点にあります。
仮に親の問題を子が担ってしまった家庭があるとして、
けれどその「親」にもさらに親がいます。
つまり、親自身もまた、自分の親達が抱えた問題を「調整する役」を担ってきた子供達であって、
悩みや問題が世代を越えて伝わってしまうパターンが出来上がってしまっているかもしれません。
自分を取り囲むさまざまな悩みや辛さ、症状、「親と同じことをしてしまう」という問題の根底に、家系が抱えるゆがみの存在が見える場合があります。
続く
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