「なんか割引の計算が出来るようになったんですよ!」とあるクライアントさんがおっしゃいます。
えっ今まで出来なかったの?と初耳の私はびっくりしましたが、
計算全般がすごく苦手なんだそうです。
算数障害といって、算数だけがどうしても分からない、という方がいます。
(最新のDSMだと、算数障害という書き方は無かったかも…)
算数障害は計算も分からないんだけど、
それ以前に数字の概念が薄くて、
数字の大小がぱっと判断できなかったりもします。
この方は、今までお仕事のお悩みがいろいろと大変な方で、
カウンセリング中もお仕事以外のお話だけで時間が終わってしまうので
それ以外のお話をほとんどまだ出来たことがない方でした。
それで、初めてこれまでの勉強面についてお話を聞いてみたら、
なんと数学と国語で偏差値が30~40も違っていたのだそうです。
勉強全般が苦手な場合や、読み書きができない場合は
本人も困ってしまうし、親や教師も気づきやすい分対策が取られやすいところもあるのですが、
この方のように、1科目がすごく苦手だけど、別の科目に得意があったりすると、あんまり気にされなかったりします。
それでご本人に特に生きづらさが無いのであれば、そのままでもいいのですが、
この方はスーパーやお洋服屋さんに行っても割引の計算がよく分からないから、いくらに値下げされているのか分からないんだそうです。
ではどうやって割引後の金額を知るんですか?とお聞きしたら、
「えいっと買ってしまってドキドキしながらレシートで確認します!」だそうです(笑)
いつもお仕事のお悩みに追われている方が、
どうして今回計算のお話になったかというと、
最近なぜか計算が前より出来るようになった、
そしてなぜか時計などの(数字の)見間違えが減った、
これはカウンセリングの影響ではないか?
と思ったのだそうです。
この方には今までほぼトラウマへの心理療法しかやったことがなかったのですが、
それで数字が得意になったのだとすれば、
トラウマを減らす過程(つまりストレスが消えていくということ)で脳の機能が正常の状態に戻りはじめて、
計算が出来るようになったのかもしれません。
つまり、この方はもともと数字が苦手だった可能性もあるけれど、
成長過程のトラウマやストレスで脳やホルモンのバランスが崩れてしまって
余計に出来なくなっていた、という可能性もあるわけですね。
ならば、自分は本当はどのくらい算数や数学が出来たはずなんだろう?というのを知りたくなって、この方は中学の数学テキストを購入されたようです。
自分はもともとできないんだ、ダメなんだ、と思っていたことが、実はそうじゃなかったのかもしれない、というのはワクワクするような発見ですよね。
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