「燃え尽き症候群」という言葉があります。
何かを目指してものすごくがんばったり、誰かを献身的にサポートしていた人が陥りやすい、鬱にも近い状態の事です。
この特徴は、「その努力が実を結ばなかった」という点で起こるというもの。
(最近は、よい結果を出していてもこの言葉が使われることが増えました)
達成のために心身共に限界まで努力をしている状態で良い結果が得られなかったときに、極度の疲労に襲われ、自分のことを責めたり、落ち込みから抜け出せなくなったり、感情が無くなってしまうことがあります。
一方で、「荷下ろし抑うつ」という言葉もあります。
荷下ろし抑うつは、名前通り「荷物を下ろした後にくる抑うつ」です。
例えば家族の介護をずっとやっていた方が、介護をしなくなってよくなった後にかえって調子が悪くなってしまうことがありますが、それが荷下ろし抑うつに近いものだったりします。
何かから解放された後に、重く沈んだ気持ちが続きます。
うまく眠れなくなってしまったり、食事が進まなくなってしまう方もいらっしゃいます。
さらにもう一つ、「成功うつ病」なんて言葉もあります。
これは何かに成功した後に、困難が生じてくることでなりやすいものです。
会社で昇進した後に、新しい業務内容についていけない、うまく指導が出来ない、重い責任がのしかかる、などのストレスや重圧によってうつの症状が現れます。
人はいろんなきっかけで精神的なバランスを崩してしまうんですね。
調子が落ちてしまった方が、どのような「状態」なのかは、お医者さんが判断して診断を出してくれます。
一方カウンセラーはお話を聞きながら、その背景を考えます。
例えば介護の荷下ろし抑うつを感じている方には、共依存の状態があったりします。
これは2者間の距離がとても近くなっている状態で、お互いにお互いを頼り、時に縛っている関係性です。
また、「成功うつ病」ならば、「子供が親を越える」ことでなりやすいとも言われています。
社会的、経済的などの面で子供が親の立ち位置を抜いてしまった時に、子供の中に無意識に起こる「悪いことをしてしまった」という気持ちが引き金になっているケースがあります。
「この人はどんな人生を送ってきたのかな」とお話を聞いてみると、今と過去が意外なところでつながっていたりします。
人生の糸をさかのぼって、ちいさな絡まりをほどきながら進んでみると、分かることがあります。
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