「実は発達障害じゃないかと思っているんですが」というご相談が定期的にあります。
病院と違って、カウンセリングルームは障害の診断が出来ません。
それでもこういう相談が多いのは、その方が「発達障害」に思い至るまでの間にたくさんの生きづらさを抱えてきたからだと思います。
・出来る事(時)と出来ない事(時)の差が大きい
・物忘れ、スケジュール忘れが多い
・目の前にあることに過集中して他がおろそかになる
・遅刻ぐせ
・衝動買い
・目をみて話すのが苦手
・匂い、手触り、音などに過敏
・グループ作業が出来ない
・長時間じっと出来ない
・相手の感情が読み取れない(笑顔以外が不安)
・何度も同じ失敗をしてしまう
・態度が大きいと勘違いされる
「なぜできないのかよく分からない」「周りが出来ている(ように見える)ことが自分には出来ない」という問題は、強い劣等感をはらんだ失敗経験として心の中に残ります。
周囲に怒られたり、冷たくあしらわれたりすると、対人関係への不安も強まり、精神的に孤立します。
一人で「何かがおかしい」と悩みつつなんとか頑張ってきた方が、「発達障害」という言葉に出会って「私はこれかもしれない」と思うのは当然の心の動きかもしれません。
いきなり病院に行くのには不安があったり、「障害かどうかよりもとにかく今がつらい」という時に、ひとまず病院ではなくカウンセリングに行こうかな、と考える方が多いようです。
ところで、発達障害は心ではなく脳機能のバランスに原因があると言われています。
しかし、実は心のダメージによっても脳のある部分が過活動になったり、別の部分が能力低下することがありえるんです。
つまり、心のダメージによって「発達障害のような状態」になってしまっている場合があります。
あるいは、発達障害のような脳のバランスがベースにあるものの、そこに失敗経験や挫折、トラウマなどが重なって実際よりも大変な状態(ひどくなっている)になってしまっていることもありえますね。
病気や障害などの診断を出すことが出来るのはお医者さんだけなので、カウンセリングに来ていただいても「発達障害かどうか判断してもらえる」ということはありません。もちろんお薬もお出しすることが出来ません。
その分、カウンセリングでは「そこに心のダメージがないかな」という部分を時間をかけてひも解くことができます。
心のダメージで「発達障害に似た状態」になっている、もしくは心のダメージで「発達障害の特性が強く出すぎている」という可能性があるのなら、それは「トラウマ」という発達障害とはまたちょっと別の分野のお話になってきます。
私は「発達障害かも」「発達障害の診断が出た」という方のほとんどに、このトラウマが関わっていると思っています。
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