カウンセリングでは「生きやすくなる」というのが一つのテーマだと思っていますが、「楽に」「生きやすく」なんていうのはカウンセラーや精神面の支援者たちが思っているだけで、クライアントさんは全然そんなこと願ってない、なんてことがあります(笑)
だからこれは私達が気を付けないといけないことですよね。
ずっと慢性的に生きにくかった方や、いつも何かがつらかった方は、そもそも「生きやすい」とか「楽」という状態がよく分からないことがあります。
言葉を知っていても、イメージしようと思うとぼんやりしてしまうので、「楽ってなに?」状態でピンときません。
「幸せ恐怖症」とでも言えるような心理状態の方達もいらっしゃいますね。
幸せとか楽という感覚に罪悪感があって、自分から進んで「悪い選択肢」を選んでしまいがちな方々です。
いつも自分にダメ出しをしているのも特徴で、不幸な状況を呼び寄せ、楽になっていくことを遠ざけます。
(この状態が強いと、自己敗北性パーソナリティ障害の内容が当てはまります)
あとは、幼児期の親子関係の影響で「自立したら愛されなくなる」「元気になったら見捨てられる」と思ってしまっていることもあり得ます。
親(特に母親)から愛されないというのは幼児にとって命にかかわる大ピンチですから、強烈に心の中にインプットされて大人になっても抜け出せないでいることがあります。
そうなると、なかなか「楽になる(元気になる)」のは恐怖が伴うことですよね。
カウンセラーとしては、こういう方達のトラウマやストレスが少しずつ減ってきて、いつか「楽になりたいから」と心理療法を試してくれるようになったら良いな、と思います。
なぜなら、「楽になることに抵抗がある」=「苦しみたい」わけではないからです。
あくまで抵抗があるだけで、苦しいものは苦しいから、毎週カウンセリングに来て下さる。
でも、クライアントさんがそれを望んでいないなら、別に今すぐじゃなくてもいいとも思います。
人の心は飛び級が出来ませんからね。
一人で抱え込んでいたことを、過去のことも今のことも全部話して底を尽きたら、また違う景色が見えてくるのだろうと思います。
その時をひそかに楽しみにしています。
*このブログは毎日19時に更新されます
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