オンリーワンだったら頑張れるのに、
「皆の中の一人」だと途端に自信を無くしてしまう方がいらっしゃいます。
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入社したばかりのAさんは、職場で一番年下ですが、慣れない環境で一生懸命仕事に取り組んでいました。
仕事自体には不安もあるしミスも怖いけど、与えられた仕事が終わると積極的に職場の掃除をしたり、ほかの仕事を手伝ったりして自分なりになんとかカバーしているつもりです。
上司からも「Aさん頑張ってるね」「気が利くよね」などと言われると嬉しくて、大変だけど少し満足感もありました。
ある日、自分より年下のBさんという人が新しく職場に入りました。
Bさんは仕事はまだまだミスが多いですが、性格が朗らかで人懐っこいのでAさんにも笑顔で話しかけてくれました。
上司はAさんに「Aさんも今日から先輩だね。Bさんすごくいい子だから助けてあげてね。」と言いました。
Aさんはなぜかこの上司の一言に少し傷つき、その日からなんだか力が抜けてしまったようにやる気が出なくなります。
今までは率先してしていた掃除も、「やらなきゃ」と気づくのに手が出ません。
そうしているうちに、Bさんが気づいて掃除をやるようになりました。
「あーあ」とAさんは思います。
上司はBさんにも声をかけますが、Aさんにも変わらず声をかけてくれます。
Bさんは仕事のミスはあるものの、意欲的で性格も明るくAさんを慕っています。
なのに、Aさんの中には不安やイライラがたまっていって
なんだか何も頑張れないような、どうでもいいような気持ちになっていきます。
そして、周囲が自分をどう思っているのかが気になって仕方なくなるのでした。
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例えばこんなお悩みを持つAさんという方がいたとします。
Aさんがもし、「職場で一番年下」「新人」ということにオンリーワンを感じていたとしたら、Bさんが現れたことで自分が特別ではなくなってしまったことになります。
オンリーワンじゃないと安心できない人にとって、立場を取られるというのは「もういらないよ」と言われているような気分になるのです。
でも、Aさんが特別である必要は、本当はどこにもないんですよね。
周囲はAさんが特別であることを望んではいないし、特別じゃなくなってもAさんが今までと同じように働いてくれるのなら、Aさんの評価が下がるわけではありません。
なのに、Aさんだけが不安を感じてあれこれ悩んでしまいます。
そこで今度は、
「それなら努力して別の何かで特別になることを目指したらいいのに」と周囲もAさんも思ってみるのですが、その気持ちとは裏腹になんだか頭も体も動かなくなってしまうので、Aさんもどうしたらいいのか分かりません。
「比べられることが怖い」
「本当はダメ人間だとバレるのが怖い」
「何か特別じゃないと捨てられてしまう」
そんな気持ちがある方に多い傾向です。
一緒にこれまでの人生を振り返ってみると、面白いことが分かります。
「どうしてそうなってしまうのか」が見えてくると、改善の糸口が見えてきます。
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