「自分のことなんだから、自分が一番分かっている」
というのは、ちょっとした強がりです。
他人に分かってもらえた体験が少ないと、
他人に「自分を任せる」ということに不安を感じてしまうので
自分が一番分かっている、と思うことで盾を作ります。
他人と自分を分かち合う幸せを放棄してでも
傷つけられ侵入されることを防ぐための盾ですね。
この、「自分のことはわかっている」という強がりさんタイプは、
カウンセリングに来るのも不安でいっぱいです。
カウンセリングを検索するほどには
何か困っていたり違和感があるはずだけど、
ホームページを眺めてはパソコンを閉じてしまう。
それを繰り返して、一つ自分の山を越えてからいらっしゃる。
自分のことはわかっている」という方は、
他人の意見をなかなか受け付けない。
でも、自分を甘やかしているかというとそうでもない。
むしろ、自分のことを決めつけて、苦しめていることすらあります。
例えば、仕事中にものすごくイライラしやすい方がいました。
その方は「あの人が嫌だからイライラする」とか
「電話対応が苦手だから電話が鳴るとイライラする」とか
色んな理由を考えて、
「どうせ私の心が狭いからなんでしょ」と
決めつけていました。
でも、よくよく話を聞いたら
それは音の問題だったんです。
つまり、その人はもともと人より音に敏感で
大きな音、さまざまな音を聞くだけでストレスが
溜まりやすい性質でした。
電話の鳴る音、多数の話し声、
あちこちから聞こえる機械音。
一人で住んでいる自分の部屋より
職場の方が音が多いのだから
この人がストレスでイライラするのは当たり前です。
だけどその自覚がないために、
「仕事中にものすごくイライラする」と思ってしまって
他人のせいだと思ったり、逆に自分を責めたりしてしまう。
これを、そのまま病院の先生にお話したら
「仕事のストレス」だと思われてしまうことだってあるでしょう。
自分のことを分かっている、という人は
心のどこかで「自分が悪いんだろう」と思っている人が多いです。
だから、人からそれを指摘されるんじゃないかと恐れてしまって、
盾を作ってしまう。
でも盾を作るほどに、「自分が悪いんだ」という気持ちが
どんどん大きくなっていって、それが真実のような気がしてしまいます。
他人に決めつけられるのが怖い、と思っている時、
多くの方が自分自身を決めつけて、傷つけてしまっているんですね。
*このブログは毎日19時に更新されます
当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら