カウンセリングでご家族の話を聞いた時に
「普通の家庭で育ちました」
とおっしゃる方がたくさんいます。
でも、よくよく話を聞いていくと
ネグレクトでは……?と思うような
エピソードが出てきたり。
家庭を複数持っている人はそうそういないので
どうしても自分の家庭は「普通」だと思いやすい。
比べる対象も経験もありませんからね。
親に暴力を日常的に振るわれていた、
親族や兄弟から性的虐待を受けていた、などという話なら
さすがに「うちの家族(親族)ってちょっと…」と思えるのですが、
「お母さんが不機嫌になりやすい」とか
「家にピリピリした空気が流れる」とか
そのくらいだと、「家族も人間だしよくあることだから」と
問題にせずスルーしてしまいます。
確かに、完璧な親はどこにもいません。
でも大事なのは、「よくあることかどうか」ではなくて
「その影響を子がどのように受けているか」、です。
例えば、人の顔色をうかがったり
空気を読みすぎて、なんでも引き受けてしまう人や
断わるのが億劫で全部自分で抱えてしまう人は
もともと親の顔色をうかがわざるを得ない子供時代を
過ごしていることがあります。
つまり、「親が適切な育児をしたかどうか」とか
「親に子供への悪意があったかどうか」とかは関係なく、
親とのすれ違い、特にコミュニケーションにおけるすれ違いが
大人になった子供の悩みにつながっていることが多いのです。
家族と話している時に、
なぜかイライラする、ピリピリする、
変に緊張する、といった気持ちがある人は、
親とのコミュニケーションのすれ違いを経験しています。
なんとなく、話がかみ合わない。
否定されるのを恐れてしまう。
欲しい言葉がいつももらえない。
こういう違和感は、
「家族」という言葉の中に隠されて
かえって孤独を生み出します。
今のコミュニケーションへの悩み、人との関り方の悩みは
元をたどれば家族間の関わりの問題だったりするのです。
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